外来生物問題検定【難易度:高】
ども、連日の更新が珍しいゆーにです。

今までトウネズミモチ検定とか、外来草本同定検定とかをYahoo!の検定で作ってみましたが(ブログ左下のリンク参照)、第3弾ということで、外来生物問題検定を作ってみました。

もちろん内容はマニアック。
おそらく勉強しないと合格できないでしょう。
勉強しても合格できないかもしれません。

そのくらいマニアックで意地悪です。

さぁ、心の準備はいいですか?

れっつ・・・スタート


ちなみに、自分が無勉強で受けたら半分くらいかもです。
ヒントは・・・問題文をよく読むこと、あとはこのブログを見ていただいているか、ということでしょうか(^^;)
[2009/07/02 20:27 ] | はじめに | コメント(0) | トラックバック(0)
外来サラマンダーと在来サラマンダーのハイブリッド(2009/06/30 ナショナル・ジオグラフィック)
7月ですねー!早い早い。2009年も折り返しです。

今日はニュースの紹介。アメリカでの国内外来種の脅威で、遺伝子攪乱の事例です。
何でも在来サラマンダー(サンショウウオの一種)が他の州から移入されたサラマンダーと混血し、遺伝子攪乱だけでなく在来の両生類にも影響を与えているようです・・・。

それでは記事を見てみましょうか。

混成種サンショウウオが在来種の脅威に
Christine Dell'Amore for National Geographic News
June 30, 2009

 アメリカ、カリフォルニア州サリナスバレーの沼地で、サンショウウオの一種である希少なカリフォルニア・タイガーサラマンダーと外来種のオビタイガーサラマンダーの間に“モンスター”のようなハイブリッド種(混成種)が生まれ、在来種の脅威となっている。

 研究責任者でカリフォルニア大学デービス校・集団生物学センターのモーリーン・ライアン氏によると、新しいハイブリッド種は親の種よりも大きく成長し、大きな口でさまざまな両生類の獲物を飲み込むことができるという。

 獲物のほとんどは沼地に住む小さな種で、パシフィック・コーラスフロッグ(Pacific chorus frogs)やカリフォルニア・イモリなどが含まれるが、どちらの種もこのハイブリッド種の影響で個体数が急激に減少している。

「食欲旺盛で他の種よりも若干攻撃的なようだ。同種で争う様子や他の種を捕獲する姿を観察するのはそれほど難しくない」とライアン氏は言う。

 オビタイガーサラマンダーは1940〜50年代にテキサス州からカリフォルニア州に移入した。現在、サリナスバレーでは在来のサンショウウオとのハイブリッド種が生息範囲を拡大しており、在来両生類の生息域の約20%がこの種で占められている。カリフォルニア州にそれまで生息していた在来種はアメリカの絶滅危惧種法(ESA)で絶滅危惧種に指定されている。

 ライアン氏のチームはハイブリッド種が地域の沼地に与える影響を調べるために、サリナスバレー各地でオタマジャクシと卵を採集し、研究室で分析した。その結果、このハイブリッド種のオタマジャクシは他の両生類の成体だけでなく、在来種のサンショウウオの幼生も捕食していることがわかった。

 また、他のサンショウウオの幼生とは異なり、“待ち伏せ”戦略を取ることもわかった。獲物がそばに泳いで来ると攻撃し、「飛びかかると同時に飲み込む」とライアン氏は説明する。もう一つ、在来種にはない変わった適応力がある。ハイブリッド種のオタマジャクシは歯列が異常に発達することがあり、“共食い”までするというのだ。

 このままハイブリッド種の生息範囲がサリナスバレー全体に拡大し続けると、他の両生類の種は危機にさらされる。

 例えば、アメリカで絶滅危惧種に指定されているサンタクルズ・ユビナガサラマンダーは、カリフォルニア州モントレー郡の非常に狭い範囲に生息している。この地域にハイブリッド種が進出してきた場合、「サンタクルズ・ユビナガサラマンダーの個体数は、世界規模で大きく減少する恐れがある」とライアン氏は話す。

 メリーランド大学カレッジパーク校の両生類生物学者カレン・リップス氏は、「論文の内容から、ハイブリッド種がサリナスバレーの沼地に生息する他の両生類に大きな影響を与えていることがわかった」とメールでコメントを寄せた。リップス氏によれば、サンショウウオが最上位の捕食動物になった例は他にもあり、例えば森林地帯の沼地では、サンショウウオが昆虫や他の無脊椎動物の個体数を脅かしているという。

「しかし、ハイブリッド種を排除しようとすれば、倫理的なジレンマに陥る」とライアン氏は言う。「自然保護の観点からすると、この問題へどう対処するかについては大きな疑問点がある」。何しろ、このハイブリッド種は部分的には絶滅危惧種の血をひいている。だが、半分在来種だからといってこの種を保護すべきなのだろうか。

 ライアン氏は在来のサンショウウオが生き残れるかどうかに関して、大きな懸念を抱いている。しかし、カリフォルニアでは“半分テキサス出身”である侵入者にはかなわないようだ。「このハイブリッド種の攻撃的な捕食行動が猛威を振るっている。そのために在来種が被害を受け、個体数の内でハイブリッド種が占める割合はどんどん増加している」と、ライアン氏は心配している。

 研究成果は今週号の「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌に掲載されている。




とのことでした。

簡単に整理しますと、

テキサス州
・オビタイガー・サラマンダー

↓1940〜50移入

カリフォルニア州
・カリフォルニア・タイガー・サラマンダー

その後、

カリフォルニア州
・カリフォルニアタイガー×オビタイガー雑種発生

↓捕食

個体数激減
・パシフィック・コーラスフロッグ
・カリフォルニア・イモリ

個体数激減の危険性
・サンタクルズ・ユビナガサラマンダー

また、おそらく
・カリフォルニア・タイガー・サラマンダー純血種の減少
も問題になることでしょう。

記事にあるように、在来種のカリフォルニアタイガーと外来種のオビタイガーが混血し、親よりも大きく成長したり、新たな戦略をとるようになったり、とプラスの性質を獲得することを雑種強勢といいます。

例えば、ガラパゴス諸島のハイブリッドイグアナがあります。
このイグアナは、ウミイグアナ♂とリクイグアナ♀の間に生まれ、ウミイグアナのように海に潜って海藻を食べられるだけでなく、リクイグアナがサボテンを食べるように、爪をつかってサボテンによじ登り、これも食せるようになったのです。
もともとリクイグアナには鋭い爪がありませんでした。リクイグアナは自分でサボテンにのぼって食べることは出来なかったのですが、新たに雑種が誕生し、両親の優れた形質を受け継いで、幅広い食性に適応できることになったのです。

他にも、イネや野菜、樹木の品種改良の一例にもなっております。例えば、マツノザイセンチュウに弱い日本のマツにマツノザイセンチュウに抵抗性のある中国の馬尾松を交雑させ、和華松と名づけられたマツノザイセンチュウに抵抗力のあるマツを生み出しました。
イネは言わずもがな、コシヒカリといろいろな種類を交雑させ、あきたこまちやひとめぼれを生み出していますよね。

雑種強勢は、基本的に人に役立つ生物を生み出すときに行われたり、進化の上で必要があるときに行われてきたのです。

自然状態では、ある同じ祖先を持つ種が海や山などで地理的に隔離されていたりしますと、それぞれ近い遺伝子を持ちつつも、全く別の土地で、その土地に適応するように進化していきます。
だからダーウィンフィンチのように、近い島の中でも島ごとにぜんぜん異なるくちばしを持つようになるのです。
地理的隔離のためにお互い交配できないので種・亜種として認識され、多様性が膨らんでいったのです。

今回のケースでは、外来種ともといた在来種が交雑し、普段なら起こることの無い雑種強勢が発生したといえます。
その雑種強勢のために捕食が上手くなり、個体数を増加させ、個体数的にも遺伝的にも在来サラマンダーを減らしていくことでしょう。
遺伝的攪乱だけが問題ではなく、その地に住む生物を捕食して成長していくわけですから、在来被食者も減少していきます。

ある地域の生物群は、お互いの食う食われる関係の中で、自分たちの個体を激減させず、かといって激増もさせないような絶妙なバランスを作り上げてきたのです。
そこ別の地域のバランスを持った生き物を入れると、簡単にバランスが崩れるのです。

たとえば、1g同士でつりあっている天秤Aと、5g同士でつりあっている天秤Bがあるとします。
この場合、天秤Aは島嶼などの生態系、天秤Bは大陸の生態系で、おもりは捕食者と被食者のバランスだと考えてください。あ、捕食者数ということではないですよ。あくまでもバランスという概念で。

さて、天秤Bから5gのおもりを天秤Aに移したとします。どうなりますか?1gと、1g+5gでバランスは簡単に崩れますね。そう、移した5gが移入種であり、外来種と呼ばれるものなのです。

この1gと5gが交雑できたとします。そうなると、おもりは混ざり合い、6gのおもりとなります。
さて、バランスは1gと6gで崩れたままですが、もといた1gはどこに行くのでしょう?移入された5gはどうなるのでしょう?
1gと5gが合わさったのが交雑で、それによりできた6gは全く別種なのです。たとえ1gと5gの遺伝子が内包されていたとしても、別物。1gはこの世から消えることになります。5gは移入前で残っていますが・・・。
これが遺伝子攪乱と、それにより在来種が消えるということなのです。

記事の中では、絶滅危惧種の血を引いているからハイブリッドを駆除すべきかには問題がある、というようなことを述べていましたが、これは明らかにお門違いだと思います。

自然状態でハイブリッドが出来るならば、それは進化の過程であり、見守ればよいでしょう。
しかし、人為で移入したものはバランス崩しでしかないのです。
まだ1gが残されているならば、6gと5gを排除して、1種を守ることが多様性の保全に繋がるのではないでしょうか。

本来起こりえないハイブリッドは、イノブタやライガー、レオポンと同義だと思います。それを自然の産物と呼んでいいのでしょうか。進化と呼んでいいのでしょうか。
私は、導入種のハイブリッドは自然だとは思いません。利用するならばともかく、生態系を守るという観点からは無くすべきものかと思います。


今回の記事では、外来生物は遺伝的に近ければ雑種強勢も起こし、遺伝的攪乱だけでなく、在来種の激減、在来被食者の激減にも繋がるという例を提示してくれました。

日本でもニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴの交雑とか、ニホンザルとタイワンザルの交雑とかが起こり、遺伝的攪乱が進んでおります。

それだけでなく、日本のクワガタムシと台湾や中国など海外のクワガタムシが地域亜種同士で交雑し、今までに無い形質を持ったクワガタムシが発見される例が増えております。
私たちは、このサラマンダーの事例から、日本で起こっているこの問題を少しでも食い止めなければならないと思います。

今私たち一般の人でもできること。
‐飼えない生き物は飼わない。捨てない。
今NPOなど団体ができること。
‐日本で起きている現状を伝え、その防止に勤めること。
今学者ができること。
‐研究した成果をより多くの人に伝え、理解してもらうこと。
今行政ができること。
‐目標を明確にし、一般の人やNPO、学者が動きやすいような下地をつくること。

そして今我々がすべきこと。
連携。

頑張りましょう、固有の生き物を守っていくために。


すごく長い文章になりましたが、読破してくださり、ありがとうございました。
伝わりにくかったかもしれませんが、文章を読んで何か考えるところがあれば幸いかと思います。

以上、真面目なゆーにでした!・・・あれ、最初書こうとしてた内容と135°くらいずれてる・・・。
まあいっか。

引用元:ナショナルジオグラフィック 2009/06/30 『混成種サンショウウオが在来種の脅威に』
URL:http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=64602681&expand
[2009/07/01 18:13 ] | 海外 | コメント(0) | トラックバック(0)
特定外来生物同定マニュアル(環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室)
こんにちは、ゆーにです。
一応就活における筆記試験が終了いたしましたので、前と同じくらいの更新頻度になるかと・・・なれたらいいなぁ。

今日はマニュアルの紹介です。
今まで駆除マニュアルとかを紹介してきましたが、そもそも外来生物を同定(ある種が何なのかを判断すること)できなければお話しになりません。
駆除した種が実は特定外来生物ですらなかった!ということになったら、笑い話では済みませんからね。

というわけで、環境省の外来生物対策室が作成した特定外来生物同定マニュアルをご紹介いたします!

特定外来生物に指定された爬虫類・両生類・魚類・甲殻類・軟体動物・植物の形態的特徴を分かりやすく解説し、写真も添えて同定しやすくしてあります。

ほ乳類と鳥類、クモ・サソリと昆虫は準備中ですが、外来生物の形態を把握するにはもってこいだと思います。是非一度ご覧下さい!

以下のリンクから、環境省のページにジャンプしますよ。
ジャンプ先で、分類郡ごとにまとめてあります。pdfでも、flashでもお好きな方でどうぞ。
pdfなら印刷して使えますね!

特定外来生物同定マニュアル
[2009/06/29 17:32 ] | 駆除・対策マニュアル | コメント(2) | トラックバック(0)
マングース本土上陸(2009/6/22 朝日新聞)
こんにちは、ゆーにです。
いつの間にかカウンターが20000を回っていました!

10000までは始めてから1年かかりましたが、今回は約半年で20000に!
皆様のご来訪に深く感謝すると共に、皆様が外来生物問題に関心を持ち、情報を集めていることを嬉しく思います。

研究者と皆様の情報乖離が進みやすいこの時代、なんとなく橋渡しできたらなぁ、と思いう思いもありブログを始めましたが、少しずつ、一歩一歩前進しているような気がします。

外来生物問題は国や地域によって興味のある無しが非常に分かれますが、なんとか貴重な生態系を守れる一助になれたら、このブログを見て興味を持つ人が増えたら、と思います。

さて、前置きはこれくらいにして、今日はニュースから。

なんと、琉球で問題を起こしているマングースが本土上陸を果たしたそうです・・・。
マジですか。↓

マングースついに本土上陸、生態系崩れる危険 鹿児島市
2009年6月22日22時55分

 国内では沖縄本島と鹿児島県・奄美大島だけに生息するマングース(ジャワマングース)が鹿児島市で確認されたと22日、県が発表した。本土での生息確認は初めて。ペットとして飼うのは禁じられており、船便に紛れて侵入した疑いがあるという。生息地では絶滅希少種の動物を襲って勢力を拡大中。県は生態系が崩れる危険性があると心配し、環境省と対策を話し合う予定だ。
 県自然保護課によると、07年8月に市内の路上で見つかった死骸(しがい)を環境省奄美野生生物保護センター(鹿児島県大和村)が調べ、ジャワマングースのメスだと最近わかった。市内の野鳥の会会員からは今年4月に市内で3回目撃したと情報が寄せられ、写真からマングースと確認したという。

 マングースは主に西アジアやインドに生息する小型の肉食獣。奄美や沖縄には戦前から戦後にかけてハブを駆除するために持ち込まれた。奄美ではアマミノクロウサギなどを襲い、沖縄では本島南部から北上してヤンバルクイナの天敵になっている。

 同課は「船便に紛れて来たか、意図的に持ち込まれたのだろう」と推測する。被害は確認されていないが、担当者は「九州でもタヌキやイタチなどを抑えてマングースが君臨するかもしれない」と不安そうに話した。(三輪千尋)


マジでした。

こ、こここれはマズいですね・・・。

マングースは沖縄ではやんばる地域に侵入しないよう防止柵を張り、北上を阻止していましたが、海を越えて北上してくるとは予想外だったでしょう。
もちろん奄美から来た可能性もありますが。

市内の野鳥の会会員から今年で3回の目撃、yahooニュースで配信されている記事では2006〜2008年の間に高校の生物教師が鹿児島市喜入瀬々串町の農道で8回も目撃していたそうです。

つまり、目撃が2006年からあり、2007年には死骸の回収、今年に入っても確認されていることから、成体数頭が入り込んだか、あるいは数匹の成体で繁殖に成功したか、ということが考えられます。

誰かが故意に導入していたら最悪です。犯罪です。

目撃例が4月で3回ということは、だいぶ人(というか町というか)になれているか、あるいは数が多いことを意味します。

野生哺乳類は基本的に警戒心が強く、めったに姿を現すことがないのが特徴ですが、数が多くなればなるほど目撃例が増えるものなのです。

奄美・沖縄で生態系に大きな影響を与えていたマングースですが、本土は希少な動物が少ない、と思って油断してはいけません。

アライグマやハクビシンなど、野生動物がどんなに農作物に影響を与えているでしょうか?
アライグマがどのくらい病気を媒介できるのか覚えていらっしゃいますか?

マングースは雑食で、昆虫・爬虫類・哺乳類や鳥類の卵、果実も採食してしまいます。

まだ数匹だから大丈夫、と安心してはいけません。

まだ数匹だと思われるからこそ、今のうちにお金を投入し、可及的速やかに根絶するのが最善といえるでしょう。

毎年数匹ずつとるのと、一年で一気にとるのでは、その年だけでは根絶のほうにお金がかかるかもしれませんが、数年のスパンで見れば、投資額と被害額にはるかに差が出ることでしょう。

少ないうちにものすごい捕獲圧をかけたほうが、全体として安上がりなのは言うまでもありませんよね。

まだ少ないと思われる今がチャンスです。
県や環境省の英断に、期待をしております。

それと同時に、何故侵入したのかを早急に解明する必要があるでしょう。

積荷にまぎれてきたのならば、水際対策をもう少ししっかりする必要がありますし、誰かが持ち込んだのならなおのこと。密輸に成功していたことになりますから。

現状の対処と原因の究明は人もお金も時間もかかりますが、今後のためと思って、是非やっていただきたいものです。

引用元:朝日新聞 2009/06/22 『マングースついに本土上陸、生態系崩れる危険 鹿児島市』
URL:http://www.asahi.com/eco/SEB200906220045.html
[2009/06/23 14:35 ] | 外来哺乳類 | コメント(2) | トラックバック(0)
在来魚減少の主要因は・・・(2009/06/04 京都新聞)
こんにちは、ゆーにです。
将来にだいぶ不安を抱えております。何とかなればいいな。

さて、気を取り直して本日の記事は数日前のニュースから!

在来魚の減少の原因は、このブログを見ている限りでは全て外来魚であるかのように思えてしまいます。
一方、外来魚駆除反対者の中には、在来魚の減少は環境改変である!外来魚は在来魚に影響しない!とおっしゃる方もおります。
もちろん、外来魚も原因だけれども環境破壊も原因なんだ!という方もおりました。

さてさて、一体何が原因で在来魚は減ったのか?
その論争に一石を投じるニュースが配信されましたので、ご覧下さい。

在来魚、最大の脅威は地形改変
琵琶湖・淀川水系 分析で判明


琵琶湖を埋め立てて建設された人工湖岸。これらの地形改変が在来魚の産卵・生育に影響を及ぼしている(草津市北山田町)
 琵琶湖・淀川水系の在来魚を脅かすさまざまな要因のうち、河川改修など地形改変が最も広範な種に悪影響を与えていることが各種レッドデータブックの分析で分かった。次いで外来魚の影響が大きく、在来魚保護には両面で対策が求められることが浮き彫りになった。

 琵琶湖環境科学研究センターの西野麻知子総合解析部門長が、環境省や滋賀、京都、大阪の3府県のレッドデータを分析した。絶滅危ぐ種などに位置づけられた計42種の記述から、生存を脅かす要因を河川改修▽外来魚▽水位操作▽水質汚濁▽乱獲−などに14分類した。

 河川改修や湖岸改変、ほ場整備など地形改変が要因とされた種は、ニゴロブナやヤリタナゴ、メダカなど最多の35種に上った。地形改変による湖岸や川底の単調化、水路と田んぼの分断で、多くの種の産卵や生育の場が失われている現状が明らかになった。

 次いで外来魚のオオクチバスとブルーギルに食べられたり、えさや住みかを奪われている種がホンモロコやイタセンパラなど29種あった。

 滋賀では琵琶湖の水位操作の影響がニゴロブナなど4種で指摘された。一方で水質汚濁の影響は京都、滋賀ではスナヤツメなど2種にとどまり、大きな危機要因とはなっていなかった。

 全魚種とも脅威は一つではなく、外来魚と地形改変など複数が組み合わさっていた。西野部門長は「地形改変で在来魚が減ったところに、外来魚が追い打ちかけている。外来魚駆除に加えて地形修復を進めないと、本当の保護につながらない」と指摘している。


ということでした。

つまり外来魚も要因の一つだが、地形改変も要因として大きかったということですね。
意外だったでしょうか?それとも、そういえばそうだな、と思われたでしょうか。

いきなりですけど、実は、研究者や専門家というのは結構自分の専門領域以外のことに目が行きにくいんです。

多くの研究者というのは、研究することが自分の第一目標です。調査・研究し、論文を書くことが主な目的となります。
専門家というのは、文字通りある分野・事柄・問題に対して専門的な知識を備えておりますが、その専門以外となると意外にも弱い。特定分野に対しては無敵でも、他の分野に対してはさっぱりな人が結構いるかと思います。

身近な研究者なり、専門家なりに例えば簡単な歴史の問題を出してみてください。思想家に関する話でも、音楽・芸術でもOKです。
もしその研究者が文系方面なら、物理や化学・生物の話でもしてみてください。

全員が全員答えられないわけでは無いでしょうけれど、たぶんさっぱりな顔をする人が多いのではないでしょうか。

何を言いたいかといいますと、専門家は狭く深い知識を持っている人がみられるのです。
そして自分の興味以外の分野には興味を示さない人も多々いるのです。

つまり、自分の専門に必要な考え方は出来ても、他の考え方の視点を得られず、考え方の視野が狭い人が中にはいるのです。

これと同様に、外来生物に興味を持っている人にも同じ事が言えます。
こんな一般に比べるとマイナーな問題に興味を持っているのですから、案外興味本位に陥りやすいものです。

そう、外来生物に興味を持つ人の多くが、在来生物の減少は外来生物が原因だ、と思いこみすぎていたような気がします。

私も外来生物を駆除する上で、他人に納得させるためには在来生物の減少が一番説得させやすいと思って多用してきてしまいました。
そのため、自分の中でも外来生物の影響は多大なものと思いこみすぎていたような気がします。

我々の目的は何でしょうか。

外来生物を根絶することでしょうか。

ちがいますよね。それは手段でしかありません。

目的は在来生物・在来生態系の保全ですよね。

いつの間にか目的と手段が逆転していたかも知れませんし、実際に逆転している人もいたと思います。


いつの間にか、行政による環境破壊(は言い過ぎかも知れませんが)の影響を、外来生物に置き換えていたのかも知れません。
もしかしたらうまく隠れ蓑にされていたかも知れません。

しかし、今ここで気づくことが出来ました。

本当に守りたい生物種・生態系があるならば。
その減少している原因を視野を広げて見なければなりません。

本当に外来生物だけが原因なのか。その背後に護岸工事などが無かったか。
我々は多様な原因を突き止め、しかるべき順に解決して行かなくてはなりません。

外来生物を駆除しても、在来生物が繁殖できる空間が無ければ保全したことにはなりません。
同様に、地形改変を止めさせただけでは、より外来生物の繁殖しやすい空間を作り上げてしまうだけかも知れません。

今後、外来生物専門家に求められるのは、単に専門的な生態や駆除の方法だけでなく、在来生物を保全するための包括的な方法ではないか、と思うのです。
在来生態系を守るために、外来生物を除去し、かつ改変された生息空間を元に戻す、あるいは、生態系を改変されないように守り、外来生物を除去していく、といったような。

専門家も、己の興味がある事だけにとどまらず、ある事例の原因がもっと他の要因から成り立ってるかもしれない、という視点を得るために、最低限の教養と最大限の視野を持たなくてはならないと思います。

水中で専門知識を得つつも、たまには水面から顔をだして周りを見ないと、いつの間にかはぐれているかも知れません。

引用元:京都新聞 2009/06/04 『在来魚、最大の脅威は地形改変 琵琶湖・淀川水系 分析で判明』
URL:http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009060300186&genre=H1&area=S00
[2009/06/15 19:16 ] | その他の外来魚 | コメント(0) | トラックバック(2)
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