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コニチハー、ゆーにです。今日は晴れたから洗濯ができました。

9月の12~15日くらいだったかな、山口大で哺乳類学会があるそうです!
外来生物の哺乳類に関しても発表が多いみたいなので是非行きたい!!

と思ったけど親戚の用事でいけない・・・。なんだかんだと忙しいものです。
どなたか行ってきて報告してください。。。うそ。。。


今日はちょいと前のニュースより、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の駆除に関する面白い取組みを紹介したいと思います。

では記事をどうぞー↓

バケツ1300杯分、人力で捕った! ジャンボタニシ駆除大作戦
2008年8月19日

 外来生物「ジャンボタニシ」による稲の食害に悩む安八町が今春、住民が捕獲したタニシを買い上げる助成制度を始めた。全国的にも珍しい試みだが、捕獲量は5リットル入りバケツで1300杯分を突破。一部の地域では、農業用水路に金網を張る防除対策も行われ、農家からは「今年はほとんど被害がない」との声も聞かれる。繁殖力の強さから「根絶不能」ともいわれるタニシと、人間の戦いを追った。

 ジャンボタニシの被害は、5年ほど前に出始めた。昨夏には、タニシが水路などを通じて町全体に広がり、被害が拡大。西濃農業共済組合(安八町)によると、昨年1年間で被害に遭った田は約4・2ヘクタールで、うち約1・1ヘクタールは収量が3割以下に激減。農業被害を補償する共済金の支払い対象になった。

 助成制度は、タニシの活動期の初夏から秋にかけて、市内各地区で捕獲したタニシの総量を町に申請すると、地区単位で助成金が出る仕組み。金額はバケツ1杯(5リットル)で300円。回収したタニシは町が処分する。

 8月4日現在、安八町24区中、19区が駆除を行った結果、計43回で6930リットル分のタニシが捕獲された。

 ジャンボタニシ研究の第一人者で、九州沖縄農業研究センターの和田節上席研究員(59)は「手取りでどれだけ効果があるかは不明だが、駆除に助成金が出るのは珍しい」と驚く。タニシの被害が多い九州では、田植え直後に水深を浅くしてタニシの動きを抑え、それでも被害が多い時は農薬を使う防除策が確立されている。

 しかし、安八町では、田の水を地域で一括管理する方式が採られており、個人で水位を調整するのは難しい。また、田に引き入れる水と排水が一つの水路で兼用されているため、タニシが田に侵入しやすいという問題点もある。そのため、昨年、被害が大きかった地域では、越冬したタニシを田植え前に駆除した上で、水路の取水口に金網を張って侵入を防いだり、農薬を使ったりしている。

 同町でジャンボタニシの調査・防除指導を行う農業普及員の鈴木隆志さん(47)は「タニシの根絶は不可能なので、うまく付き合って、稲への被害を最小にしていきたい」と話している。

 (小椋由紀子)

◆記者から
 5リットルバケツ1386杯分という量を聞いて驚いた。営農組合員数人で毎日駆除している地域もあるという。「来年に少しでも被害を減らしたい」という一心からだ。

 住民らは鈴木さんの指導を受けて、昨冬から手探りで対策に取り組んできた。鈴木さんは被害が減ったという声に手応えを感じつつ、「手取りがどのくらい効果があるのか、来年の結果が待ち遠しい」と話している。

 【ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)】 南米原産の巻き貝。田植え期に稲の苗を食べ、冬場は土に潜って越冬する。1981年に台湾から食用として輸入され、全国約500カ所で養殖されたが、需要が伸びず野生化した。国が84年、有害動物に指定。環境省の要注意外来生物リストに挙げられている。



でしたー。

何が画期的かといいますと、捕獲した外来種を町が買い上げる、というところですね。

やはり人間は基本損なことには動きたくなく、自分の得なことに動きたいものですから、農家のタニシ被害に遭っている方たち以外ではあまり積極的に動こうとしたくないものなんです。

どんな場合でもそう。もちろん、自分にも当てはまります。進んで損な役に立ちたいとは思いません。

ですが、そこにお金が絡んできたらどうでしょう。人は動いてしまうのです。不思議~。

このお金を出して外来生物を買い上げる試みは、沖縄のマングースの事例でもありますよね。あれはマングースを捕獲して冷凍保存し、尻尾を切り取って持っていけば良かったのかな?

マングースは養鶏業者に被害があったりしますが、小型で動物であることから、なかなか捕獲が難しいと思われます。捕獲方法がワナですから、設置や取り扱いもそんなに容易ではない・・・。

しかし、ジャンボタニシは所詮タニシですから(正確には違いますけど)、水田の中にしかいないし、素早く動き回るわけでもない。

網で掬えばそこまで、なのです。

駆除方法が簡単だと、特別な技能や知識が必要ありませんから、どんな人でも駆除作業を行えてしまうのです。

それがお金になるんだから儲けもの、って感じですよね。

すでに根絶が不可能と言われているようですが、このような取組みは例えば単に、ここで釣ったブラックバスのリリースは禁止です!などと言うよりはるかに効果があると思うので、是非とも続けて頂きたいと思います。


根絶不可能と言われているのは何故でしょうかね。年間ジャンボタニシだけに従事できる人がいないからでしょうか。
ずっとその生き物に従事できる人がいれば、実は根絶できないことはないんじゃないかと思います。

ただ、市や都道府県レベルの公共機関では、それだけに従事しているわけにはいかなく、他の仕事もやらなきゃいけないだろうし、大学の先生だって毎日見回って駆除作業するわけにもいかない。だって論文書いたり授業したり学生の面倒見なきゃいけないですもんね。

するとNPOなどの機関が必要となってくるのです。

社会一般で見ると、NPOは未だにボランティア団体っていう目線が強いそうです。

ですが、NPOはもはや会社と同じ!ただし、利益を社員に還元するのではなく、利益をさらなる目的のために投資するみたいです(活動資金とか必要資材の購入とか)。

今度NPOに体験しに行ってきます。


引用元:中日新聞 2008/08/19 『バケツ1300杯分、人力で捕った! ジャンボタニシ駆除大作戦』
URL:http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20080819/CK2008081902000017.html
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2008.08.27 / Top↑
最近ちょっと涼しくて過ごしやすいですね。ゆーにです。洗濯物が干せないですね~。
研究室主催の公開講座が8月末にあるのですが、その仕事が多くてなかなか更新できません・・・。

ですが、面白いニュースがあるときには紹介しちゃいます!
というわけで今日は久しぶりにニュースの話題を。

琵琶湖で大繁殖中のブルーギルを養鶏飼料にするといった取り組みの紹介です。

以下記事をどうぞ。↓

琵琶湖のブルーギルで養鶏飼料、外来魚駆除とコスト低減の一石二鳥

 琵琶湖の生態系に悪影響を与えている外来魚のブルーギルを原料とした栄養価の高い養鶏飼料をつくることに、立命館大生物工学科の久保幹(もとき)教授(環境微生物学)と滋賀県などの共同研究チームが成功した。粉末ではなく液状なのが特徴で、従来の飼料に少量を調味料のように加えることで、ニワトリの成長が早まることを確認した。穀物価格高騰の影響で値上がりする飼料の節約と、“悪役”である外来魚の有効利用という一石二鳥の効果が期待されている。

 琵琶湖には約160トンの外来魚が生息し、約8割がブルーギルと推定される。固有種のニゴロブナやホンモロコを駆逐するなど生態系に悪影響を与えていることから、滋賀県は漁協に補助金を出したり、釣り人に協力を求めたりするなどして、年間約500トンを駆除している。

 駆除した外来魚は、ほとんどを地元企業などで組織する「淡海(おうみ)再資源化協同組合」が処理しており、乾燥させ粉末化した「魚粉」も飼料として商品化されている。しかし、養鶏業者らへの販売は苦戦しているのが現状だという。

 このため、この飼料の改善を目指し、平成17年度から同組合と滋賀県畜産技術振興センター、久保教授らの3者が共同で研究をスタート。発酵によりタンパク質を分解し、単に粉末化した場合よりも吸収率を上げる方法を考案した。

発酵には、久保教授が特許を持っている納豆菌の一種「HA12」を使用。粉砕したブルーギルに10倍量の水を加えた上で少量のHA12を混ぜ、48時間発酵させる。滋賀県特産の「近江シャモ」で試験を行ったところ、従来の穀物飼料に少量を添加して食べさせると、穀物飼料だけを与えた場合に比べ、平均して体重が約10%増えたことが確認された。食味試験でも、従来の飼料だけで育てた鶏肉よりもおいしいとする結果が出たという。

 久保教授らは今年3月に特許を申請。ブルーギル以外でも、約10種類の魚を原料にして試作したところ、ブラックバスなどスズキ目で作った飼料は栄養吸収率が高いことが分かった。

 同組合の林市雄事務局長は「安全で安心な飼料を作ることができた。養鶏農家に試してもらい、よかったという声が聞けた段階で本格的な販売に乗り出したい」と商品化に意欲をみせている。

 養鶏飼料は、原材料のほとんどがトウモロコシや大豆で、世界的な穀物価格の高騰に伴い、この2年間で値段が2~3倍になっている。久保教授は「駆除される魚の有効活用ができればと始めたが、飼料の高騰でさらに販売の活路が見いだせるようになったのでは」と話している。

2008.8.25 13:09 産経新聞


とのことでした。

すごいですねー、こういうのって生物工学とかのチームがやるんですね!というか研究チームがあったんですね!!羨ましい・・・。

しかも粉末飼料でなく液状飼料!今私が考えても全部粉末飼料どまりでしょう。科学は常に前に向かって進んでいますね~。

さて、記事では160トンの外来魚が生息しており、そのうちの8割がブルーギルとなっておりました。つまり約128トンのブルーギルが生息しているということになります。

琵琶湖全体で何トンの魚が生息しているのか知らないので、外来魚が多いか否かは分かりませんが、少なくとも琵琶湖の外来魚の中では、ブラックバスやチャネルキャットフィッシュなどよりもブルーギルが大部分を占めているのですね。

おそらく琵琶湖の環境がブルーギルに適しているのでしょう。あるいは、釣り人の間ではブルーギルが雑魚として扱われ、まったく人気がないのでそのおかげでブラックバスよりも繁殖できたのかもしれません。

外来生物を単に駆除するだけでは、周りからの反発が多いのが現状です。よく聞く言葉が生き物達は悪くない、と。
だからといって在来生態系をほっといて、原因を生んだ人を裁くことは出来ませんからね。

なので、一応反対する人にも納得していただけるよう、資源として有効利用することで、単に駆除するだけじゃないということをアピールするわけです。外来生物駆除、特に魚ではその風潮が強いですね。

今回のニュースは、資源利用としての機能といいますか、役割といいますか、その部分を強めたわけですね。
資源としてブルーギルの魚粉を作ったが利用されなかったので、より有用な飼料にして利用を増やそうというものでした。

一番問題となるのは価格でしょうか。飼料として流通できるかどうかが課題でしょう。

しかし、もともと邪魔者として駆除したものを利用しているだけなので、あまり広く流通しすぎると今度はブルーギルが足りないってことになっちゃいます。
そこらへんは考慮が必要かもしれません。

ですが、現時点でブルーギルの全個体駆除は不可能ともいわれていますから、取り組みとしてはがんばって欲しいところです。

確か滋賀県では琵琶湖の生態系から外来種を駆除することに力を入れているそうなので(詳しくは琵琶湖の過去の記事を参照)、是非とも在来生態系に戻ればいいと思います。


でも記事をみて一番いいなぁと思ったことは、研究チームがあること。いつも一人でやっているし、研究室にほとんど人がいないし・・・自分ひとりで得られるものがあっても周囲から得られるものってそこまで多くないんですよ。

いろいろこんな研究やったら面白いだろうし、役立つことがあるだろうなーとか考えることがあるのですが、人が少ないから行動に移せない。。

大学の教授が言っていたのですが、よい研究、世の中に役立つ研究をするには一人ではできないのです。工学と農学の協力や、農学の中でも各学科、専攻の協力があってこそ、今までに無い新しい研究をすることが出来るのです(少々脚色あり)。

たくさんの人と知り合いになり、いろいろな考え方を持って研究することがこれからは必要なんですね。

もっと世の中に役立つ研究をしたい。
それより研究仲間が欲しい。ちょっぴり切実なゆーにでした。ではでは。


引用元:2008/08/25 産経新聞『琵琶湖のブルーギルで養鶏飼料、外来魚駆除とコスト低減の一石二鳥 』
URL:http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080825/sty0808251309010-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080825/sty0808251309010-n2.htm
2008.08.25 / Top↑
6000HITおめでとうございます!ありがとうございます!自分で踏んだゆーにです。

植物と外来生物法を書こうと思いましたが、突っ込まれると辛いトコなのでそれに準ずる内容を書くことにしました。突っ込まれても目的が調査研究・啓蒙・学習ですし、対象物は枯死させてあるので問題ないとは思いますが。

ということで、植物の死についてです。

外来生物法でいう特定外来生物は、生きた生物に限られております。
その生きている生物(死んでたら"生”物じゃないですもんね)の飼養等を禁止する法律なんです。

つまり、ブラックバスを釣って、それを生きたまま飼養したり保管したらアウトですけれど、ブラックバスを釣り、その場で処分し、持ち帰る分には法律の対象外なんですね。

単純明快でわかりやすい法律だと思います。
この前も、許可無くアライグマを飼育していて通報されたニュースがあったと思います。

この特定外来生物は、生物一個体だけでなく器官や種子なども法律の対象内にしてあります。そう、特に植物には種子がありますから、そこまで規制していなくてはいけませんよね。

いやー、わかりやすい。じゃあ何が問題なの?

私は外来生物全般に興味を広げておりますが、今は主として樹木を勉強しております。

勉強すればするほど、植物死の不確かさに身を焦がされます(それほどではありませんが。)


みなさんは考えるでしょう。植物の死は枯れたら、でしょ?と。

ではどのように枯れを判断しますか?

わかりやすいのは落葉したら、ですよね。葉っぱがなければ生きていけない。だから落葉したら枯れたんだ、と。

じゃあ冬はどうなりますか?全部枯れているんですか?違いますよね。春になったら葉を出しますもんね。

あれは葉を落としても、来年葉になる芽を持っているのです。ぱっと見だと分かりにくいかもしれませんが、冬芽というものをもっております。樹木のプロフェッショナルは、葉が無くても樹皮と冬芽で何の木か判別しちゃうんですよ。すごいですよねー。

じゃあ、落葉して冬に芽を持たなかったら枯れたんじゃないの?
というかもしれませんが、冬までどんだけ待てばいいんですか。それに、樹木には潜伏芽という、樹皮の下に芽を持つものもいるのです。広葉樹はたいがい持っております。

だから、冬芽が見当たらなくても樹皮の下に芽があり、そこから枝や葉を伸ばすこともできます。

さらに、植物にはもともと芽じゃなかったところにも芽をつくる機能があります。カルスという万能細胞のようなものをつくり、そこからいろいろな器官に分化することができちゃうんですね。
カルスは芽にも根にもなりますからね。

つまり、落葉しただけでは確実に枯死したとはいえないのです。もちろん葉っぱがなくなり、長い時間たてば枯死したとしか言いようがなくなりますが。

樹木はもともと心材、導管や樹皮など死細胞だらけですからね。
動物のように心臓の動きが止まれば死、というのには直結しないんですよ。

もちろん、草本もそう。死細胞だらけとかではなく、たとえば引っこ抜いたから死、にはつながりません。

特に、特定外来植物といわれている輩は乾燥の耐性が強く、引っこ抜いてそこに放置しただけではすぐには枯死しません。逆に、根を下ろして生き続けてしまうかもしれません。

しかるべきところにて乾燥させ、枯死させなければいけないんですね。樹木と異なり、種子を保持している可能性もあります。放置した状態で種子がこぼれ落ちたら、そこからまた群落を形成し、いたちごっこになってしまうのです。

また、草本は樹木よりも再生能力が高いのです。
アナカリスとして売られているオオカナダモなんかは、ちぎれた茎片から個体数を増やしていきます。
つまり、刈り取り(水中なのでそう言うのは変ですが)をしても破片が残っていたら再生してしまい、刈り取りが枯死につながるとはいえないのです。

個体数を爆発的に増やす外来植物は、多くがこのちぎれた破片からの再生能力や、地下の根を伸ばし、根から新たに個体を発生させる能力を持っているのです。

掘り取っても根が半分残れば枯死とはいえないかもしれない。
それが植物。

もちろん時間がたてば枯死に至るでしょう。
でも生物学上の死ではないのです。

植物の死は、便宜上のものを決めなければならないと思います。
これこれこういった状態に置かれたとき、植物は死に至るしかないから植物の死、というふうにしないと、きっとどこかで問題になるかもしれません。ならない気もしますが・・・(^^;)

植物の枯死判断は、意外と簡単ではない、ということをお伝えしたかったという記事でした。
逆に、生物学上生きていても、いずれは100%枯死に至る状況ならばそれは植物死でも良いのではないかなーとも思っております。

そうしないと、きっと特定外来植物駆除を行っている人々が皆犯罪者になってしまいますからね。
だってそうでしょう?刈り取った特定外来植物を持ち運べば犯罪なんですよ。ゴミ捨て場に運搬しても犯罪ですよ。例えば道端に生えている特定外来生物を、何の植物か知らずに刈り取って家のゴミ箱に捨てても法律では犯罪になってしまうんですよ。

生態系の危機に意欲を持つ方が、法律上の悪になるのは、ちょっといかがなものかなぁと。
海外起源の動物と植物を同一の法律で規制したのはすばらしいことです。だからこそ、動物と植物の違いを考え直し、動物の死と植物の死の定義を明確にしないと、今は問題なくても日本がもっと精神的に豊かになり、環境や生物多様性に多くの国民が目を向け始めたとき、裁判沙汰で問題になるでしょうね。


・・・杞憂かもしれませんがね。
2008.08.19 / Top↑
IMGP3242re.jpg
シロツメクサ・・・っぽいけど全然違いますよ!葉っぱと茎の長さが。


ども、ゆーにです。今日気づいたんですけれど、人間休息は必要ですね!
田舎に行って物理的に研究室に行けない状態をつくりだしたら、すんごいリフレッシュできました。

それはおいといて、今日は前回行った印旛沼にて見つけた特定外来植物、ナガエツルノゲイトウについてです。

ナガエツルノゲイトウ・・・・。なんと言いにくい名前か。どこで文節が途切れるんだ。
漢字はこれ。長柄蔓野鶏頭。

つまり、長い柄をもち、つるのような野に生える鶏頭(ケイトウという植物。花穂の形が鶏の頭みたい)ってことでしょうか。和名は台湾に侵入したものに倣ったようです。

ナガエツルノゲイトウは、ヒユ科の多年生草本です。英語ではAlligator weedともいいます。ワニ雑草。

南アメリカ原産です。観賞用や、シャンハイガニの養殖施設で隠れ場所として利用されていたそうなので、それらから逸出したのでしょう。
水辺に生え、かなりの乾燥に耐えられます。また、陸上で生育できたり、茎の破片から再生することもできるみたいです。

その強い生育・繁殖能力のため、在来の植生を撹乱し、駆逐するだけでなく、水田の雑草、水路の水流停滞、船の通行の妨げなど、水草特有の害をもたらします。

茎の破片から再生してしまうので、駆除するときには根っこから掘り取る必要があり、海外では除草剤も用いられているみたいです。日本では除草剤は反対されるでしょう。

見分け方は結構ラクです。まずは目に付く小振りの小さな花。
IMGP3288re.jpg
ちょっとだけシロツメクサに似ています。とがったシロツメクサ、みたいな。ただしあっちはマメ科でこっちはヒユ科。まったく共通点はありません。見分けのポイントだと考えてください。
花期はなんと4~10月と非常に長いです。冬以外ならば発見するのはたやすいでしょう。

次は葉っぱ。
IMGP3290re.jpg
ご覧のように、葉の付き方が対生ですね。
この対生か否かは非常に重要な見分け方です。多くの植物で、この対生(左右対称に葉がつく)か互生(交互に葉がつく)かは良い見分けのポイントです。
例えばカエデ科(モミジ)は全て対生です。どんなにモミジっぽい葉をしてても、葉の付き方が対生でなければモミジの仲間ではありません。

このナガエツルノゲイトウも絶対に対生です。

IMGP3291re.jpg
葉にはわずかに鋸歯(葉の縁のギザギザ)がありますね。ほんとにわずかに、ですけど。
あとはこの写真からはわかりづらいですが、葉柄はほとんどありません。

そして、なんといっても長柄蔓の名を冠するほどの長さ!↓
IMGP3286re.jpg
これ4本くらいありますけど、長いですねー。とにかく茎が長い。根っこから掘り返したかったけど、かなわないほど長かったです。茎は50㎝~1mにもなるそうです。

このくらいでほぼ同定できるでしょう。
ナガエツルノゲイトウのほか、同じように侵入した外来ノゲイトウにはツルノゲイトウ、ホソバツルノゲイトウ、葉腋(葉のつけね)に花がつくのでわかりやすいでしょう。
また、同じように水辺の白い花をつける特定外来生物にミズヒマワリがおります。それは葉柄があること、花期が8~10月であること、花びらが細く長いことに注目すれば、見分けやすいでしょう。

ナガエツルノゲイトウは特定外来生物に指定されており、駆除・防除が望まれます。
外来生物が繁殖しないような環境に戻さなければ完全に外来生物対策したことにならず、駆除など意味がないという声もちらほらききますが、それは間違いだと思います。

外来生物が繁殖・生育できない環境というのは、成熟した在来生態系でなければならないからです。つまり、在来生態系の中の各生物が複雑に関係しあい、外来生物が入り込めるニッチをつくらないことなのです。
そんなものは理想であり、無理です。人が生きていけません。人が生きるには環境を改変するしかありませんでした。自然から抜け出し、自分たちで環境を整えたのです。その整えた環境は乾燥だったり、低い光量だったり、汚染があるなど、自然の生物にとっては住みづらい場所なのです。それに適応できてしまうほどの能力を持っているからこそ、侵略的な外来生物なのです。・・・あ、植物の話ですよ。ブラックバスなどはまた別の話です。

人が入り込む場所はすでに完全な自然ではない。ちょっと不自然な場所なのです。
もちろん非常に汚染されてたり乾燥がひどい場所は改善する必要がありますが、水路や湖沼の外来植物は、抜き取ること・・・その場所から駆除することが一番早い対策なのではないでしょうか。

・・・だって水路の環境を変えたり、湖沼の水質を変えたりってどんだけ時間かかるんだろう。たぶん上流からその水系の原因などを探って変えなければならないから、やはり直に外来植物をなくすのがてっとりばやいと思うんですよね。

今日はこんな感じで。

次はコラム的に植物の死についてでも話しましょうか。

参考:日本の外来生物 多紀保彦 平凡社 2008
    日本の帰化植物 清水健美 平凡社 2003
2008.08.18 / Top↑
ちょっとお久しぶりです!ゆーにです。
更新が滞ってしまって申し訳ないです。

実は、昨日千葉の印旛沼まで行ってたんですよ!日帰りで。
印旛沼は、特定外来生物のカミツキガメが生息、繁殖しているらしく、千葉県も駆除に動き出しているというところです。

その他、ブラックバスやブルーギルもおりますし、特定外来植物のナガエツルノゲイトウも生えているという話を聴きましたので、運転の練習がてら友人達と言ってみたわけです。

印旛沼の大体の位置はこんな感じです↓
印旛沼

ちょうどAのマークがあるところですよ。

霞ヶ浦と東京湾の中間くらいというところでしょうか。
下道で行ったら渋滞に巻き込まれたのもあり4時間かかりましたが・・・。

印旛沼は、北印旛沼と西印旛沼の2つからなり、千葉県最大の湖沼です。
戦後干拓があり、このような形になったそうですが、干拓前はもっと広い面積だったようです。
印旛沼2

水質はあまり良くなく、富栄養化しているそうです。

沼の多くの部分は護岸工事されているというわけではなく、下の写真のように岸と沼までに多くの植物があり、簡単に水辺に近づけない場所が多かったです。
IMGP3238改

霞ヶ浦は土手の上を車が走れるようになっており、すぐ水辺にいけたのですが、印旛沼は土手の下・・・・道‐土手‐沼のようになっていて、水辺に近づけなかったのです。
もちろんボート屋さん?の周辺はすぐに水辺にいけました。

カミツキガメやナガエツルノゲイトウを探そうと思っていたところに意外な障害!なかなか近づけない・・・。

そんな折、西印旛沼(左側)から北印旛沼(右側)に移動しようと水路近辺を走っていたら、なんと!水路付近は水辺に近づけるじゃないですか!!
IMGP3240改
というわけで、水辺付近を探索したところ、発見しました!
特定外来植物ナガエツルノゲイトウ!!

さぁ、そのナガエツルノゲイトウの写真は!
・・・次回に続きまーす!!(^^;)

その他、ブルーギルの姿も確認しましたので、やはり湖沼には外来生物が多いですね。

印旛沼の平均水深は1.7m、最大でも2.5m。
透明度は0.7m。

水深が浅いので広範囲で水生植物が生育できますし、ナガエツルノゲイトウのように長い茎を持った植物などは生育しやすいわけですね。

透明度が少ないので、外来魚類やカメは他の生物に襲われることなく(もともと天敵がほぼいないわけですが)、繁殖できちゃうのですね。

水深が浅いと確かにカメは成育しやすそうです。

日本の大部分の湖沼はブラックバスやブルーギルが生息しているでしょう。そして印旛沼のようにかなり面積の広いところになると、全個体駆除というのは物理的に不可能になってきてしまいます。

それはカメでもそう。植物も同じ。貝なんか余計に。

生き物達は基本的に1年サイクルで繁殖します。
つまり、1年以内に全個体駆除しないとどこかで増殖しちゃうんですね。

もちろん、何年も駆除しつづけることで全体の数はだんだんと減らせますが、全個体駆除、というのは成功したかどうかわからないんですよ。
家の中の全てのホコリを取り除けますか?全てですよ。それはどんなに掃除してもどこかしらにのこっている、それと似たようなことなんです。

我々がすべきことは、予防。そうならないように防ぐことが原則なんですね。
そして、対処。そうなってしまったら、可能な限り最善をつくし、元の生態系に戻さなければならないんです。

またいつものような話になってしまいましたが、パッと見普通の湖沼でも、いたるところに外来生物がいて、生態系内で争いが起こっているのです。
自然界は常に生き残りの争い。
生き残りの争いに勝ちやすい特徴を備えているのが侵略的外来生物。
平和に見える自然界も、いつも生き残りをかけた競争なんですね。植物でさえも。


千葉県は外来生物対策に力を入れているようですので、頑張って頂きたいです。

機会があればまた印旛沼に行きたいな。

というか日本中の外来生物生息地を旅してみたいと思っております。何か共通点を見つけられるかもしれない!
2008.08.13 / Top↑
こんにちは。ゆーにですね。じゃなくて、もう8月ですね。暑いですねー!
今年は家の中に害虫がたくさん出ます。たぶん外から入ってきてるんだろうけど。

今日は、ニュースも特になく、自分の研究も全く進まない(←大問題)ので、もし次に研究するとしたら何を題材にするか、考えていたことを書こうと思います。


今、日本には外来生物がたくさん侵入してきており、特定外来生物法が施行されましたね。
この外来生物法というのはいわゆるブラックリスト方式です。

すでに日本に定着している種はもちろん、海外で問題になっている種の中で、日本に入ってきたらさすがにまずいだろ!っていう種を規制しています。
影響が明確そうなものをブラックとして規制するのですね。
影響が不明瞭なものも、一応未判定外来生物、種類名証明書の添付が必要な生物として何らかの規制・届け出が必要となっております。
ちなみに要注意外来生物には法的な規制が全くありません。だからホテイアオイも売られ続けているのです。

ホワイトリスト方式という考え方があり、こちらは侵入してもほとんど影響を与えないもののみを許可し、あとは規制するという方法です。理想としてはこの形がいいのでしょうけれど、現実にはちょっと難しいと思います。

しかし、この理想であるホワイトリストの方向に少しでも向かうため、あらかじめ侵略的な外来生物になるか否か、他地域でも被害がまだ出ていない状態で何とか影響が予測できないものか、知る必要があると思うんですよ。

つまり、侵略的外来生物になるかどうかの判断基準が必要ということです。
まだ影響予測できない生物が、侵略的外来生物に判断されたら規制するというホワイトリスト・・・ではなく、まぁどっちかといえばやっぱりブラックリスト方式なんでしょうけれど、現実の影響がまだ皆無のものも判定次第で規制対象になるという点で若干ホワイトよりの方法になるのではないでしょうか。グレー方式?
もちろんこれで侵略的外来生物に判断されても、実際に移入したらそんなことはなかったという例も出てくるでしょうが、それはあくまでも基準ということで・・・。そこは課題かな。
これは侵略レベルをつければよいのかもしれない。
非常につよい侵略力のレベル3~侵略力のあるレベル1までの3段階とか、あるいは5段階とか。

そこで、判定方法を考えてみました。

自分の専門が樹木なので、外来樹木を判定する際に何が必要になるか、何を判定したらいいのか考えてみました。

まず、繁殖力。
結実量と、種子散布は重要事項ですよね。それと発芽力も。
種子散布は重力、風、鳥類などがありますが、風と鳥が遠くまでいきますね。
結実量は多いほど発芽可能性も上がりますし。なんとか数量化、ライン引きできないかな。
発芽力は高いことに超したことはないですから。発芽試験を行って、~%以上だと危険、とかそんな感じかな。稚樹の成長力も関わってきそうですね。

成長力と環境耐性。
環境耐性、たとえば乾燥や大気汚染に強いと、都市部で蔓延できちゃいますよね。あとはアルカリ土壌耐性。たしかアスファルトはアルカリ化してて、普通樹木は育てないけれど、耐性を持つものは生育できてしまう・・・らしいです。
成長力が最も重要ですね。好陽好陰樹といわれる、日向でメッチャ成長でき、日陰でもそこはかとなく成長してしまうものは危険ですよね。トウネズミモチはこれです。

萌芽力。
樹木の特徴はこの再生・個体増殖能力です。枝が無くなったら、そのあたりから新たに枝をつくって延ばせちゃいます。また、地下の根っこから新たに樹体を作ることもできちゃいます。この能力が高いと、伐っても伐っても再生するので厄介ですよね。

この4つの能力が高いと、侵略的になりうると思います。
科学の世界では、数量化できることが必要ですので、これらを数量化できればちゃんとした研究になるだろうなーと思っております。

ま・・・そのまえに今やっている研究をなんとかあと1年で完成させなきゃいけないんですけどね。
もし博士に行くならこのような研究をやりたいと思っております。

あー、将来の方向性って悩みます。
研究は好きなんだけれど・・・!
2008.08.04 / Top↑

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