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こんちゃーっす!ゆーにッス!

もう早いもので9月も終わり。新年始まって10ヶ月、あるいは新年度が始まって半年経ってしまったんですね。
秋になるのでこれからは植物の記事が少なくなるでしょう。

さて、今日の記事は京都新聞より。琵琶湖でアリゲーターガーが見つかったそうですね。
そのニュース紹介です。

とりあえずどぞ↓

琵琶湖にアリゲーターガー
県内3例目


 滋賀県は24日、指定外来種の淡水魚アリゲーターガーが琵琶湖で捕獲された、と発表した。県内では2006年に続き3例目。

 大津市本丸町の琵琶湖で、22日に定置網のえりにかかっているのが見つかった。全長89センチ。県によると、アリゲーターガーは北米原産で日本と同じ温帯気候のため、「県内で越冬できる可能性がある」(水産試験場)として、繁殖の有無を警戒している。


以上です。
ちょっと短いけど、この記事からいくつかわかることがあります。

でもその前にアリゲーターガーって何?ってことで調べてみました!

アリゲーターガーは、ガー目ガー科の魚類です。
他の魚類とは異なり、体の中にある浮き袋が肺の役割をするようです。

つまり、水中の酸素が少なくなっても空気呼吸ができるのですね。

歯は鋭く、肉食のようで魚類、甲殻類を主食とします。北米最大の淡水魚で、全長3m以上にもなるようです。

肺で呼吸できる魚であること、古代魚のような風貌、肉食性で鋭い歯をもつこと、巨大になることから飼育しようとする人が多いようですが、飼いきれなくなって近所の池や湖に放してしまう人が多いみたいですね。

最近では東京都大田区の呑川でも発見され、捕獲されていました。その様子を2、3週間前にTV番組「素敵な宇宙船地球号」でも取り上げておりましたね。

さて。記事ですが、気になるところはまず一文目の指定外来種
これって何?

ということでこれも調べてみました。
どうやら外来生物法とは別に、外来種による生態系への被害を防ぐため数種の外来種を指定し、その飼育や逸出を規制する条例を滋賀県が出しているようです。「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」という条例です。

滋賀県の指定外来種はこちら↓。
魚類
・タイリクバラタナゴ
・オオタナゴ
・ブラウントラウト
・カワマス
・オヤニラミ
・ピラニア類
・ガー科魚類全種
・ヨーロッパオオナマズ

哺乳類
・ハクビシン

爬虫類
・ワニガメ

貝類など
・スクミリンゴガイ(別名ジャンボタニシ)
・コモチカワツボ
・オオミジンコ

植物
・ワルナスビ
・イチビ

この15種だそうです。滋賀県にお住まいでこれらの生き物を一つでも飼育していたら、直ちに届け出を行って下さい!条例違反になっちゃうかもです。

記事に戻りましてもう一つ。気になる部分というか、そうなんだ!と思ったこと。
それは琵琶湖でも越冬が可能かもしれないということです。

越冬できれば繁殖もできるでしょうし、巨大化する生き物なのでどんどん生命力が増すでしょう。
肉食なので、ブルーギルと共にあるいはブルーギルごと在来の魚を脅かしていくのではないでしょうか。

ただ、古代の形質をもった魚なのでブルーギルやブラックバスほど繁殖力は強くないでしょうし、過去3例目なので繁殖はしていないかもしれません。そこがまだ救いかと思います。

また、例え繁殖しても肺呼吸を行う性質を考慮すれば、水中の溶存酸素量が少なくなったときに水面近くに現れなければ呼吸ができないわけですから、気象や時間によって水面近くに出てくる事が考えられます。

そのときにワナを仕掛けたり、網を入れたりすれば一応理論上は捕獲できるのではないでしょうか。

記事の写真を見ても結構大きめの個体(だったような気がする)ので、近所の愛好家が飼いきれなくなり放してしまったとみて良いと思います。

重要なのは流通させないことですよね。安易に売らない、安易に買わない。
そこが大事でしょう。

滋賀ではガー類全てが指定外来種なので、条例により売るときも買うときもきちんとした説明や届け出を行わないといけなくなったので、過去3例目であることもふまえ、頻繁に現れることは少ないでしょう。

ですが、滋賀県もショップにガサ入れやおとり捜査を行えば、条例違反がたくさん見つかるのを覚えておいた方がよいでしょうね。

そして大事なのが生態を把握していること。今度論文でも探してみようかな。

引用元:京都新聞 2008/09/25 『琵琶湖にアリゲーターガー 県内3例目』
URL:http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008092500040&genre=C4&area=S00
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2008.09.25 / Top↑
こにちは、ゆーにです。
今日の記事は久しぶりにトウネズミモチで行こうかと思います。

たまには自分の研究対象も書かなきゃね!

書く内容は自分の論文テーマとは全く関係ないんですけど。

とりあえず写真をご覧ください!↓
IMGP3502re.jpg

なんだこれ。

これは、トウネズミモチの小さな切り株を掘り起こし、水槽の中で育ててみているんです。
何でこんなことしてるのか、というと・・・ただの興味本位です(^^;)なんだろ、知的好奇心みたいな。どうなるのかなーみたいな。

本当は別の目的で栽培していたんですよね。

元々は、今切り株から出ている枝(萌芽枝)がありますが、それを発生させ伸長させるのにどのくらいのエネルギーを使うのかを調べようとしていたんですよ。

一般的に樹木がこの萌芽枝をのばすには、樹体に貯めてある栄養分、すなわち貯蔵でんぷんを用いて成長させるため、萌芽枝発生前と、発生した枝を取り除いた後の重量を比較し、どのくらい減ったのかをみればよいと考えていました。


・・・しかし、そうは問屋も製造元もおろさなかった・・・。

樹木の根系、特に水分吸収を担う根毛などは、絶えず入れ替わりがあります。栽培しているうちに古いものは脱落し、新しいものが出てきてしまうんです。これでは正確なデータがとれない!

さらに、これは予想の範疇に過ぎませんが、樹木上部を無くしたことで、植物ホルモンオーキシンによる根系の成長が阻害されなくなると思います。つまり、どんどん根も成長していってしまうのではないか、ということです。

そうなると、蓄積されていた糖類が各方面の成長に使われてしまいますので、純粋に萌芽枝だけにどのくらいエネルギーが使われているのかはかれない、とここまでやった上で考えました。

もうそうなったらあとはずっとこれがどうなるか見てるだけ。
でも失敗した実験は、意外な結果をもたらした・・・!って程ではないですけど。

今、根っこがこんな感じになってます↓
IMGP3505re.jpg

なんだこのそうめんは。

いえいえ、これはこのトウネズミモチが水中環境に入れられてから新たにのばした根っこなんですよ。色々な場所から出てるんで、不定根だと思われます。

このトウネズのそうめん根の特徴は、数が多く、白く、細いことです。

その理由も推測できるので、説明しましょう!

まず、細いこと。

根を太くする理由というのは、単純に樹体を支え、倒れないようにバランスをとるためです。
樹体が小さければ小さいほど、樹木は根を太くしなくても支えられるのです。

このばあい、水中であるということで浮力などがあり、あえて樹木を支えなくても樹体を維持できているという環境がそうさせたのではないでしょうか。

もう実験始めて4ヶ月くらいは経ってるから、適応しているのではないでしょうか。
というか樹木を水栽培できるってどんだけー(古い)。

さて、お次は白いこと。

これは、樹皮の役割が元々乾燥を防ぐためのものであることに関連していると思います。
この場合、水中で完全に外部が水で囲まれているため、乾燥の心配がありません。

樹木の樹皮が茶色く見えるのは、リグニンが細胞壁に蓄積されたりスベリンという物質がコルク質に蓄積しているからなんです。

乾燥を防ぐ必要がないので、わざわざ二次肥大成長のときにつくる必要がないんでしょうね。

数が多いのは、おそらくもともと持っていた根毛の大部分が枯死脱落したからではないでしょうか。

普段樹木の根を栽培するなんていう機会はないので、非常に面白いものが見られたと思います。

これが何の役に立つかもわからないですが、とりあえずこの個体が最終的にどうなるかまで、観察し続けていきます。


というか、地下部が水中に沈んでも生き続けてるトウネズミモチってどんだけ強いの・・・。
もちろんエアポンプで空気を送ってはいるけど、他の樹木だとそう簡単にはいかないだろ。

IMGP3500re.jpg
もっさぁぁぁ。
2008.09.22 / Top↑
こんにちは、ゆーにです!台風が近づいているようですね。

1週間に2回くらいは更新したいなぁと思っておりますが、なかなか書けませんごめんなさい。

というのも、実は今インターンに行ってるんです!いわゆる実習生ですね。


どこに行っているのかといいますと、自然環境系では有名な生態工房さん。そこで主に外来生物駆除の現場をお手伝いさせてもらっております。

・・・まだ2回しか行ってないんですけどね。。


生態工房さんは、練馬区にある光が丘公園のバードサンクチュアリや武蔵野周辺で、水生外来生物の駆除や、植生管理、調査、普及活動などを行っております。

昨日一昨日と、私は光が丘公園のバードサンクチュアリ内で水生生物駆除作業をお手伝いさせてもらいました。

一昨日はサンクチュアリ内の池で張り網やかごワナを設置し、外来カメ類や魚類を捕獲しようとしました。また、かごワナはもともとカニやエビ用のものらしいので、カメに破られないよう針金製の網にはりかえました。

昨日、設置したワナにかかった生き物を捕獲しました。すると、なんと!モツゴ数匹、成体ウシガエル2、おたまじゃくし(ウシガエル)100以上、アメリカザリガニ多数、ブルーギル10~20、クサガメ&イシガメがおりました。

たった1日でこれだけの数の外来生物が捕獲できたのです!どんだけ大量にいるんだ!
昨日確認できた在来種はモツゴとカメだけでした・・・。

都会の公園内にある自然のサンクチュアリ。でも実情は多数の外来生物が生息する外来生物サンクチュアリのようです。

おそらく他の公園でも同様の事が起っているのでしょう。

光が丘のバードサンクチュアリは一般の人が池周辺に立ち入れず、ほぼ近自然状態でしたが、それでもこれ。一般の人が立ち入れる公園ではもっと遺棄された動物たちが多いのではないかと思います。

インターンとして両日ともに行動した学生さんの中には、爬虫類マニアの方がおられました。
その方曰く、マニアの間では法律無視が一般的であり、むしろ法律遵守しているマニアは少ないそうです。

動物愛護法や特定外来生物法で飼育するためには多数の書類を提出し、審査されなければなりませんからね。それを嫌がり、申請しない人が多いのだそうです。

私は自然保護系の大学で学んできましたので、法律を守るのは当然のことですし、違反することはありえないと考えてきましたが、実際は面倒くささなどから無視している方達が多いようです。

法律をスルーして飼育してしまうのですから、当然飼育しきれない状況になるとそういう方達は遺棄してしまうでしょう。

どこまでこういう人達を減らせるか、それは課題となるでしょう。生態工房さんでは、そういう方達を減らそうと普及活動にも力を入れておりました。

何をすれば遺棄原因を断てるのか。これから少し考えていこうと思います。


さて、インターン中に考えたことをもう一つ。それは専門家の少なさです。NPOでもそうですし、また行政も同様です。

これが日本の環境対策の遅れの一因だと思います。

たとえば、NPOなどで外来生物を駆除する場合、必要なのは相手(駆除したい外来生物)の習性を熟知していること。特に動物では、時間帯や気象によって、水生生物ならさらに水温や日照、水流によってどのように行動を変えているのかを知ることが必要です。

その上で適切にワナを使用し、どこに仕掛けるのが最も効率的か、最もよくとれるのかを考えながらやらなければなりません。単純に考えて、1年以内に駆除し切れなければ繁殖し、個体数を回復させてしまい、いたちごっこになりかねませんから。

同様に、行政もそう。行政ではNPOのような実践よりも、取り締まりの方が多くなると思います。しかし、最近耳にしたのでは、ミシシッピアカミミガメとカミツキガメの区別ができず、専門家を呼ばなければわからないといった事があるようです。

最低限の知識もなく、他人を取り締まることなどとても不可能です。そういう方達は生き物をよく知っているマニアの方達などに知識で負けており、法を無視されてしまうのです。

他分野でも同様だと思います。従事するからには最低限の知識は必要なのです。

21世紀は環境の時代といわれております。これからは環境について語れる方が有利です。
環境の知識は多岐に渡るため、あってもあっても足りないものです。
専門家のかたはもちろん、そうでない方もいろいろな知識を身につけていってくださいね!
2008.09.18 / Top↑
おひさです!ゆーにです!更新ペースが遅くて申し訳ないです。

なかなかニュース以外のネタが無いため、更新してもニュースの紹介ばかりですが、ご了承ください。


今日の記事は毎日新聞より、マングース探索犬です。

まずは記事をお目通しくだされ。↓

マングース探索犬:3頭、来春から駆除参加 生息地特定に期待--奄美 /鹿児島
9月13日17時2分配信 毎日新聞


 奄美大島で外来種・マングースの防除事業を進めている環境省は12日、同事業で導入を予定し、同省奄美野生生物保護センター(大和村)で訓練しているマングース探索犬を公開した。マングースの居場所を突き止める訓練などを経て来年4月から活動するという。
 同省によると、探索犬は国産1頭、ニュージーランド産2頭の計3頭。いずれも生後9カ月~1年3カ月のオスの幼犬で、現在の体重が10キロ程度と小型。
 探索犬を使った外来種防除先進国のニュージーランドで昨年11月から訓練を開始。今年5月、同センターのマングース駆除専従者2人が1カ月間、ニュージーランドで訓練に参加していた。
 2人が3頭を連れて帰国後、同センターで、マングースのふんや生活痕の臭いから生息場所を探る訓練や、アマミノクロウサギやハブなど危ない動物に近づかない訓練を続けている。
 同センターの鑪(たたら)雅哉・自然保護官は「マングースは数が減ってワナで取れにくくなっている。探索犬が居所を突き止めれば集中的に駆除できる」と期待を寄せる。
 マングース駆除は00年に始まり、07年度までに約3万頭をワナで駆除。生息数は00年の推定1万頭の20~30%とみられている。マングース探索犬は沖縄でも導入が進められている。【神田和明】

9月13日朝刊


ということでした。

環境省が主体となって進めている防除事業はまだマングースとオオヒキガエルしかないのです。どちらも沖縄県での事業ですが、沖縄の生物多様性上重要な地域であることを考えれば、まずここに着手したのも頷けます。

他の地域や他の生き物については、各地方自治体に任されているようですが・・・。

まぁそれはさておき、マングースを探索する犬を訓練し、駆除に用いようとするのはおそらく日本で初めての試みでしょう。

ニュージーランドでもマングースが問題になっているようで、一度このブログでもyoutubeにでていたジャワマングースの動画を紹介したことがありますね。

ニュージーランドはもともと哺乳類のいなかった島であり、飛べない鳥のキウイなどは外敵がいないために生き残ってこれたわけですが、今、この固有の生き物達を外来種が捕食してしまうという事態が起こっているのです。

外国の外来生物対策も参考になると思うので、よい記事や論文を見つけたら紹介していきますね。

さて、記事の中に一つ注釈したい点があります。
マングースは数が減って、というところです。

実際に数が減っているのでしょうか?
記事では2007年までに3万頭とった、と書いてありますね。

これを鵜呑みにしてはいけません。

いや、もちろん実際に駆除した数は3万なんでしょう。しかし、3万匹減ったとは限らないのです。

なぜなら、1年間に駆除した数は単純計算3万÷7で約4300。
1年に4300匹とっても、2000年推定で1万ならば、残り5700匹いるわけです。

そのうち性成熟しており子孫を残せる個体はどのくらいか、また出産数はどのくらいか、生存率(死亡率)はどのくらいか、などがわかってないと、現在の正確な個体がわからないのです。

それを踏まえて2000年時点の1万頭の20~30%、つまり現在の個体数2000~3000なのかもしれませんが。
というよりむしろ、上記の動物生態学的なモニタリングがあってこそ1万頭の20~30%まで減ったと考えられるんでしょうね。

3万頭とった、という言葉のマジックというか数字のマジックというか。
よく自然科学ではこのような表現が出てくるので、へぇ~、3万も捕ったんだからだいぶ数が減ったんだ!なんて読み流さないよう注意しましょうね。

さて、現実の個体数は神のみぞ知るですが・・・というのはあくまでも予測数しか出せないため、真の値なぞわからないというのが実状ですが、2000~3000匹とするならば、訓練された犬がどこまで効果を発揮できるかに注目が集まります。

マングースはほぼ沖縄の生態系の頂点に立っているため、外部からの捕食圧が少なく、個体数を減らせる要因は人の駆除が大部分だと思われます。

環境からの圧(寒さなど)は、沖縄自体が暖かいのでほとんどないでしょうし、他の要因はあるとすれば車の事故と病気でしょうかね。

その割合はかなり少ないので、人の手による駆除圧が個体数減少の中心要因となるのです。

しかし、ワナにもかかりにくくなっているので、その駆除圧も減少。

ここからどのように数を減らすのかが正念場なときにマングース探索犬の登場です。

3頭しかいないのがちょっと心細いですが、是非がんばっていただきたいものです。


でも・・・頼りないなぁ。

生活場所を探って、そこにいれば人が駆除できるんだろうけど、いない可能性もあるし。
いたとしても、探索犬なわけで猟犬ではないから、実際に噛み付いたり追い掛け回したりも出来ないだろうし。

ワナと併用し、年間どこまで数を減らせるのか。

探索犬が今後駆除に参加するから、といってワナの数を予算不足などを理由に減らすことのないようにしてもらいたいですね。

自然界を相手にする場合、絶対に手を抜いてはいけません。
個体数が100以下だと推定されても、ワナの数が減ることのないのが望ましいと思います。

やるなら徹底的に。残酷なようですが、これまで駆除された3万匹のマングースがどれほどの固有種を食料としてきたか想像してみてください。


引用元:毎日新聞/yahoo!ニュース 2008/09/13 『マングース探索犬:3頭、来春から駆除参加 生息地特定に期待--奄美 /鹿児島』
URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080913-00000255-mailo-l46
2008.09.13 / Top↑
IMGP3401.jpg
秋の七草の一つ。緑のなかの紫がキレイ。


ども、こんにちは。台風がぜんぜん来ないですね。
台風一家は今年は日本に旅行に来ないのでしょうか。

本日のテーマはクズ!マメ科の多年性つる植物です。
つる性草本とも、つる性木本ともいわれます。

IMGP3403.jpg
この3枚の複葉は特徴的ですね。

クズは秋の七草(花を楽しむ秋の草)の一つであり、食品としても葛餅や葛湯、葛切として楽しまれる植物ですね。
カネ○ーカンポーかっこんとう♪のかっこんとは葛根、クズの根に含まれるでんぷんを精製し、湯に溶かして飲むので葛根湯なのです。

根に良質のでんぷんを含み、食品として利用されておりますが、精製の際に非常に手間がかかることから、100%の葛粉は本葛と呼ばれ、まるで金のような扱いを受けたこともあるようです。

現在の葛食料品は多くが馬鈴薯、つまりジャガイモのでんぷんが混ざっていたりするので、100%の葛食品を食べたことがある人は少ないのではないでしょうか。

現在売られている本葛も、サツマイモや小麦のでんぷんが混じっていたりするらしいので、本葛の生産量がいかに少なく、高価なものかは想像できるのではないでしょうか。


さて、昔から食用にされ、親しまれてきた日本在来のクズ。
なぜこのブログで取り上げるのかといいますと!

なんと、アメリカで外来種として猛威を振るっているのですね。

外来種は何も海外から日本に来た種類だけでなく、日本から海外に行って外来種になるものもあるのです。
クズのほかには同様につる植物のスイカズラ、哺乳類ではニホンジカが欧州で、海域ではワカメなどが日本からの外来種として厄介者になっています。

クズは、アメリカでは主に畑などを埋め尽くします。
地下にある太い根からつるを伸ばし、どんどん葉で覆っていってしまうのです。

日本で見られるクズも同様に、樹冠を覆うこともありますよ。
IMGP3400.jpg
ちらほら見える紫のが花で、樹木を覆っております。
地下から伸びたつるが木に巻きついて登り、日の光を得られる樹冠近くまで行って光合成を行うのです。

今のは日本の写真ですが、ネットで探せばアメリカでの現状も見られるかもしれませんね。

畑に広がると、野菜が育たないだけでなく、植えられないし、つるがトラクターなど農業機械に絡まってしまいますね。
つるを切っただけでは地下にある太い根からつるを再生してきてしまいますので、駆除にならないのです。

あまりにも駆除できないので、日本ではケイピンという製品が開発されました。
ケイピンは針の形をしており、そこに除草剤のようなものがくっついております。

クズの株にケイピンを差し込むと、薬効成分が広がって枯らせるというものです。
差し込むだけなので、そんなに面倒ではなく、日本ではよく使われております。

アメリカでどのように駆除しているのかは調べておりませんが、もしかしたらケイピンが使われてるかもしれませんね。

日本ではもったいない精神があること、クズを食する文化があることから掘り取ったクズを利用することがあるかもしれませんが、アメリカでは単なる邪魔者扱いでしょう。

アメリカで掘り取ったクズを超格安で買取り、精製して本葛にしたら新たなビジネスができるかもしれません。あるいは現地で日本食の一つとして売り出すことも可能でしょう。

海外ではもったいない文化がありません。
おそらく駆除した外来生物を食用にしたり、製品として利用している国も数少ないのではないでしょうか。

単に駆除するだけよりも、その命を何らかの形で生かせればいいと思いますね。
外来生物だってただ単に生存・繁殖しようとしていただけですからね。
2008.09.08 / Top↑
どーもー、9月になっちゃいましたね。早いものです。
にしても雨多いですねー。調査実験が出来ない。。

ところで8月30、31日で子供樹木博士という公開講座を行いました!
子供に樹木の名前を教える講座です。名前覚えると楽しいですよ!

自然と仲良くなるには、まず名前から覚えましょう。友達と仲良くなるときも、まず名前と顔を覚えるでしょう?そこから自然との付き合いが始まっていくのです。とは教授の話。いい考え方ですよね(^▽^)


さてさて、雑談はこのくらいにして今日の記事はニュースから。

ある湿原に外来植物群落が形成されてしまいましたが、その外来植物の駆除が出来ないというニュースです。それは何故か?

とりあえずは記事をご覧いただきましょう。↓

踊場湿原内に外来植物群落 駆除は手続き上困難
2008年8月30日

 諏訪市と下諏訪町にまたがる国天然記念物の霧ケ峰湿原のうち、踊場湿原内にヒメジョオンなどの外来植物が侵入、群落を形成している実態が29日、同市が千葉大などの学生に委託している植物保護指導員の活動報告会で明らかにされた。湿原内の貴重な植物相を守るうえで「早急な対策が必要」と訴えた。

 霧ケ峰湿原は踊場、八島ケ原、車山の3湿原で、以前から外来植物の侵入が問題になっている。報告によると、湿原内に外来種の群落があるのは踊場だけ。湿原中心付近にヒメジョオンの群落が広がり、「一面真っ白になるほど」という。オオハンゴンソウ、オオアワダチソウの群落も湿原内外に多く見られるとしている。

 外来植物が湿原内で勢いを強めると、在来種の退行や湿原自体の乾燥化にも影響すると懸念されている。天然記念物内のため、抜き取りなどの駆除は手続き上極めて困難で、指導員代表の千葉大3年桑原和章さん(20)は「抜くこともできず悩む」と対策を求めた。

 昨年11月に発足した霧ケ峰自然環境保全協議会もこのほど、湿原の環境調査に着手。事務局の県諏訪地方事務所環境課によると、信州大とともに外来植物の種類、範囲などを調べ、駆除方法を本年度末までにマニュアル化する。

 県霧ケ峰自然保護センターは「踊場湿原は他の2湿原に比べ標高が低く、外来植物が入りやすい環境にある。八島ケ原湿原の斜面にも群落があり、だれが駆除するかも含め検討が必要」と指摘している。

 (福沢幸光)


ということでした。

タイトルにもあるとおり、手続きのせいで駆除が困難になっている現場です。

ヒメジョオンは、そこらへんに生えている雑草です(なんつー適当な説明・・・)。
キク科で、北アメリカ原産です。観葉植物として入ってきたようですね。歴史はそんなに古くなく、明治時代の初めに持ち込まれたようです。すると・・・、約140年くらいですかね、明治時代が1868年からですから、たった140年であたかも日本の植物のように幅を利かせちゃっているのですね。

外国の植物は強いですね。最近も観葉植物として持ち込まれたものが結構逸出しているようです。
でもその話はまた今度にしましょうか。

このヒメジョオンですが、特に物理的な駆除が難しい植物ということはありません。
ワルナスビみたいに地下茎繁殖するわけでもなく、オオカナダモみたいに切れ端から個体再生するわけでもない。

何が難しいって、群落を作った場所です。
天然記念物である湿原の中に群落を形成してしまったんですよ。

え、引き抜きに行けばいいじゃん。と思うでしょう。

それは法律上禁止されている行為なのです。

天然記念物は文化財保護法や地方自治体の条例により指定されます。
動物や植物の種自体を指定することもありますが、今回の件のように、生息地や自生地など一定区域も指定対象になることがあるのです。

天然記念物に指定されると、文化庁長官の許可無く現状を変更することができなくなるのです。
現状の維持が原則ですから、踏み入ることも許されないし、引っこ抜くなんて以ての外なのです。

外来種が侵入したんだから現状変更されちゃったんじゃないの?と考えるかもしれませんが、あくまでも人の手による変更のようで、自然に侵入したものは規制されない(まぁ自然相手に規制なんかできない)ようです。

もともと法律自体が文化財保護目的の法律に基づいているので、自然物を対象にするのは無理があるんですけどね。

逆に種を天然記念物に指定しても、周りの環境は変え放題という問題もあったりします。だって種の現状変更をしなければいいんですよ。遺伝子操作でもしない限り無理なのです。

区域指定もなかなかに解釈が難しい。この湿原も区域として指定されているようですが、どこからどこまで?湿原が広がれば区域は広がるんでしょうか。
湿原は今後、外来種によって縮小する可能性があります。そしたら、区域も小さくなるんでしょうか。
また、上空何mまでが区域なんでしょうか。

意外にも法律は適当。その適当さが日本人らしいんでしょうけど。アメリカとかなら事細かく書き記してそう。
ま、だからこそ弁護士とか法律の専門家が必要になり、だからこそ弁護士間でも意見が分かれたりするんでしょうけど。

現状変更ができないとは書きましたが、ならば指定解除をすればいいだけの話なのです。
一時的に指定を解除すれば現状変更が可能になるのですから、早急に指定解除し駆除を行い、原因究明と対策を打ち立ててまた指定すればいいんじゃないですかね。

やるほうは大変でしょうけれど。

でも、湿原が乾燥化して、ただのヒメジョオン群落になるのと、ちょっと苦労して湿原を維持するの。
どっちがいいかは明らかですよね?


引用元:中日新聞 2008/08/30 『踊場湿原内に外来植物群落 駆除は手続き上困難』
URL:http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20080830/CK2008083002000009.html

文化財保護法の史跡名勝天然記念物の項もご覧ください。
2008.09.05 / Top↑

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