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もっっっっさり。一面を覆うこの植物はいったい?


ども、ゆーにです。岩手の生態学会に行ってきました。
たくさんの外来生物研究者とお話できて楽しかったですし、いろんなシンポジウムや自由集会、企画集会などに参加できたので非常に為になりました。

詳しいことは後日気合を入れて書く予定ですが、今日は溜まっている記事を消化していきたいと思います。

この写真は2009年3月5日、屋久島にて撮ったもの。

屋久島といっても自然中ではなく、植物園のようなところで撮ったものです。

詳しい場所をいうのは少々はばかられますが、人が管理しているところだと言っておきましょう。
小さい島なのですぐに場所を特定できてしまうと思います。
公に場所をさらしてもいいのかもしれませんが、さらすことでその施設がバッシングに合うなどの被害にあってしまうのは本位ではありませんから。

・・・とここまでいうとこのもっさりと水面を覆いつくしている植物がどんなものだかうすうす感づきません?


そう、法律で禁止されている特定外来生物ですね。飼育に許可が必要となる、あの。

ちょっと拡大してみて見ましょうか。
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ということで、正解はボタンウキクサ、別名ウォーターレタスでした。

ボタンウキクサはサトイモ科ボタンウキクサ属に分類される常緑多年草です。

原産地は南アフリカといわれており、1920年頃、観賞用に導入されたようです。近年ではビオトープや水質浄化にも用いられておりました。

ボタンウキクサは株元から走出枝を出し新しい株を作ります。ホテイアオイと同様ですね。
繁殖速度はとても早く、最初の写真のように水面を覆いつくしてしまい、最近では(半年前くらいですが)徳島県の旧吉野川河口堰で、ホテイアオイと共に水面を覆いつくし、問題になっておりました。

水面を覆うことで、他の植物の光合成の阻害、水中の酸素不足、水路の水流阻害、水質や水温の低下、そして在来植物の群落が消滅寸前までに追い込まれたことなどから、特定外来生物に指定されております。
・・・侵略的な浮葉植物の特徴をコンプリートしていますね!

駆除は物理的な方法がほとんどで、熊手で引き寄せたり、あるいは重機で掬い上げたりします。
ただし、走出枝が折れやすいので株が残りやすく、完全駆除するには一つの株も残してはいけません。

海外では除草剤の散布や、ゾウムシなどの天敵を用いた駆除が行われているようです。

外来水草の駆除は厄介ですよー。
浮葉性のものは大体が無性生殖(栄養繁殖)で増えることができちゃいますし、オオカナダモなんかの沈水性のものは切れ端から増えて大増殖できますから。

化学物質による防除ももしかしたらある(海外では除草剤が使われているなど)のかもしれませんが、在来植物にも同時に影響を与えてしまいますし、その化学物質が水中に残留する可能性もありますし、万が一人が飲料用に取水していたら厄介な問題になります。

どなたか人体に影響がなく、ボタンウキクサやホテイアオイに選択的で、さらに水中に残留しない薬品を開発してください!何かしらの賞を取れるかもしてませんよ~!

そうでなくても効率的に駆除できる方法を開発or確立すれば、それらの植物が日本で問題を起こしている地域はいっぱいありますから、救世主となること間違いないでしょう。

駆除の何が大変かって従事者と技術ですから。


ところで、ボタンウキクサはちょっと前は沖縄以外では越冬できず一年草だったみたいですが、最近はどうやら本州でも越冬ができるみたいですね。1980年頃の日本水生植物図鑑にはそのように記してあると思います。

これは温暖化の影響でしょうか?それとも工場廃水とか?

外来生物の拡大とか生態の変化を考えるときには、周囲の環境の変化も考慮しなければいけません。何も外来生物に限ったことではなく、その他の生物でも明らかに生態が変化したならば、それについて考えることが必要です。

越冬できるようになった原因が、もし工場廃水とかだったならばそこを何とかしなければいけませんし、温暖化だったら我々一人一人が温暖化を緩めるよう動かなければいけません。

生物を対象に研究していると、どうしても簡単なことに気づけないときがあります。

個体群動態など、専門的に突き詰めていくと手法が緻密で確立されたように感じますが、ときには必要のない場合だってあるでしょう。
例えばかなり狭い水系で、人力で頑張っちゃえば根絶できるところなのに、わざわざ年間の成長率や増殖率、枯死率を求めたりするのは本末転倒です。

何を目標に研究しているのか。駆除しているのか。
生態系の保全が目的なのか、それとも生態や個体群動態を明らかにしたいのか。
外来生物をを根絶したいのか、それとも今後のためにデータを取りたいのか。

研究者は目標を、初心を忘れてはいけませんし、駆除の従事者は諦めることをしてはいけません。

・・・なんて真面目にまとめがちですが、一番言いたいのはそこではない。(←ってオイ)


どうか屋久島でボタンウキクサを所持している方、野外に逸出させないでください!
周囲は海で隔たれ、水がよく、温暖で雨量の多い島ですから、逸出したら増殖する可能性があります。

屋久島の水草事情はわかりませんが、一応ラムサール登録地があったり、国立公園だったり、世界遺産だったりするわけですから、より生物多様性の保全に気をつけていただきたい。

見た限り逸出の心配はありませんでしたが、もしこれらを捨てる際には陸地に積み上げ、根を張らせないように工夫して干すか、焼却処分してください。

屋久島では路傍の雑草と縄文杉を見に行く途中のメタセコイア以外、自然界での外来生物はあまり多くなかったので、今ある固有の生態系を大事にすべきです。

タヌキが出たとかも聞きましたが、エコツアーなど、自然環境を資源として生活しているのでしょうから、なるべく生態系の破壊は防いでいただきたい。

万が一外来生物が増えだしたりして・・・ガラパゴスや小笠原のようになってからでは遅いのですよ。


参考:自然環境研究センター編 『日本の外来生物』 平凡社 2008
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2009.03.25 / Top↑

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