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こんにちは。寒くなってまいりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
外来生物新型インフルエンザに侵略されていないでしょうか?
お気をつけくださいね。

厳密に言えば、新型インフルエンザは生物ではありませんでしたね。
ウイルスは生物の定義に完全に合致するわけではありませんから。

さて、前置きはここらへんにして、本日はとある哺乳類のユニークな駆除方法についてご紹介したいと思います!

先日、ブルーギルはおとりをつかうと捕獲効率があがる、といった内容のニュースをご紹介したと思います。
そのときに、確か哺乳類でも似たような方法を用いて駆除する方法がある、ということを言ったと思うんですよ。気が向いたら記事にしてみる、ということも言ったかな。

ということで、今日の記事は気が向いたのでそれをご紹介いたします!

駆除方法名は、その名もユダ・ゴート作戦
なんだか外国のドンパチ映画に出てきそうですねぇ。

おそらく考えたのはTaylorさんとKatahiraさん。Katahiraさんは日本人かな?
1988年のWildlife Society Bulletinという雑誌に紹介されたRadio telemetry as aid in eradicating remnant feral goats.という論文がもとになっているようです。

その論文自体はまだ読んでおりませんが、外来種ハンドブック(日本生態学会編)に説明されておりましたので、簡単にご説明いたします。

まず、名前から。
ユダ・ゴート作戦。

このゴートは言うまでもなくヤギのことですね。
ではユダとは何でしょうか?あのキリストを裏切ったユダでしょうか?

実はですね、その通りなんです。裏切りの代名詞ともなってしまった、キリストの12番目の使徒イスカリオテのユダから名付けられているのですね。

ではユダ・ゴート作戦とは、和訳すると裏切り山羊作戦、ということになります。
一体どんな方法なのでしょうか。

名前の通り、このユダ・ゴート作戦はヤギを駆除する方法です。

ノヤギは外来生物としてある地域(特に島など)に侵入しますと、そこに生えている植物を根こそぎ食べて植生を崩壊させます。
植生が崩壊しますと、土壌流出が始まり、その土壌によって最終的には海洋汚染まで発展します。
土壌が無くり、また生えてきた植物もすぐに食べられてしまいますので、どんどんとはげ山(はげ島)になっていってしまうのですね。
もちろんその植生や土壌に住む生き物達も全滅してしまいます。

日本では小笠原でノヤギが問題となっておりました。柵を設置してヤギを追い込むという方法で、または猟銃などで撃つという方法で駆除作業は続けられているようです。

日本以外でも、ハワイのハレアカラ国立公園やガラパゴス諸島でノヤギに悩まされております。
ハワイで用いられた駆除作業の一つが、先ほどのユダ・ゴート作戦なのです。

ユダ・ゴート作戦は、テレメーターをつけて雌ヤギを放し、その個体が入り込んだ群れをそのテレメーターを頼りに探し出して、その群れを駆除(主に銃による)する方法です。
ちゃんとテレメーターをつけた個体は色を付けるなりして識別するみたいです。
その個体は駆除されず、次の群れを探すので、その繰り返しを行い駆除していくという方法、それがユダ・ゴート作戦なのです。

つまり、テレメーターをつけて放された個体がユダになるのですね。

日本では、ノヤギの規模がハワイやガラパゴスほど大きくなかったため、いくつかの小笠原の島で根絶できておりますが、ユダ・ゴート作戦は使いませんでした。ほとんどが柵で囲い込み、生け捕った後薬殺するという方法がとられたようです。やむをえない場合は銃も用いられました。

動物愛護団体などの反対もあり、また動物福祉や倫理的な観念から、日本ではあまりユダ・ゴート作戦を使わずに終わるでしょう。
というよりも、もともといくつもの群れが散らばっている場所でなければこの方法は用いられませんから。

それでも、群れを作る習性を逆手に取った効率的な駆除手法だと思います。
いちいちヘリコプターを使って群れを探しては、お金が莫大なものになりますからね。

私は、駆除を効果的なものにするためには、相手のことをよく知らなければならないと思っております。
敵を知り(生態を知り)、己を知らば(それにより捕獲効率や費用対効果のたかい手法を用いれば)、百戦危うからず(抑制や根絶でも不可能ではない)。と感じます。

人はいつも工夫を重ねて技術を発展させてきました。
ユダ・ゴート作戦のように、はたまたブルーギルおとり効果のように、科学技術をうまく用い、生き物の生態をうまく利用すれば、より効果が上がるものが作り出せるのです。

小笠原は本格的に世界遺産登録を目指しているでしょう。
世界遺産登録にむけて大きな障害となっているのが外来生物問題です。

生き物の生態を知り、技術をもちいて、是非とも貴重な環境を守っていってほしいですね。
貴重な日本の生態系を、裏切らないようにしたいものです。

参考文献:『外来種ハンドブック』 日本生態学会編 地人書館 2002
2009.11.09 / Top↑
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