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お久しぶりです。ゆーにです。更新が1ヶ月もないという非常事態でした。

将来のために就職活動(試験)がつづいており、その勉強のために更新をストップさせておりました。ご心配をおかけし、まことに申し訳ございませんでした。

今後も就職先が決定しない限りは不定期の更新となりうるかもしれませんが、是非寛大なご容赦をお願い申し上げます。


・・・と、のっけから堅苦しい文章になってしまいましたね。

今日の記事は、外来生物研究者のジレンマについてです。
研究者全員が思っているとは限りませんが、私が常々実感していることを文章化してみたいと思います。思いっきり自分のトウネズミモチ研究のことなのですが、自分が研究していく上で少しだけ悩んでいる部分なので、どうぞお付き合いください。


外来生物研究のジレンマ

このジレンマは特にまだ問題になっていない種を研究しており、かつ予防法や駆除方法の効果を調べている人に起こりやすいと思われます。

それはなぜでしょうか。

研究、特に実験というのは、用いる材料を多くしなければなりません。
なぜなら、1つの材料でAという結果が出たとしても、それは本当にその実験の効果なのか、それともたまたまAという結果がでただけなのかわからないからです。
つまり、ある1本の外来樹木を駆除実験をして、その結果枯死したとしても、その枯死した要因が行った作業によるものなのか、はたまた弱っていたところに作業した結果枯死しただけなのかわからないということです。

生物を用いる以上、その結果には生理的なもの、生態的なもの、その生物の個性などで結果が大いに変わってしまうのです。

この結果は、実験に用いる材料の数を増やせば、真に近い結果が出るといわれています。
例えば、ある駆除実験を100本の同じ大きさの樹木に施し、その結果大部分が枯死したら統計的にも駆除実験によって枯死した、といえるようになるのです。

ここで問題になるのが、その実験に用いる数。
統計解析からその結果を真というためには、限りなく条件の同じ個体をたくさん用意しなければなりません。
信頼性のあるデータにするためには、莫大な数の材料が必要になるのです。

樹木を駆除する実験にあたって、その結果を効果的or効果がないとするためには、同じ樹齢同じ大きさほぼ似た形の個体を数十本、かつその樹齢や大きさを変えて繰り返し実験しなければ、どの大きさでは効果的で、どの大きさでは効果的でないかもあらわせないのです。

逆に言えば、たとえば樹高5mのもの数十本駆除実験したとし、その結果効果的であると判明したとします。しかし、それは樹高5mのものには効果的だが、それ以外には不明である、例えば樹高10mには効くかも効かないかもわからないし、樹高1mのものにも効くかどうかもわからないのです。

つまり、私は現在外来樹木の駆除方法を体系化しようとしていますが、さまざまな方法の実験を行い、かつ大きさもかえて統計的に真という結果を出して体系化するためには、それはもう莫大な個体数が必要となるのです。

では莫大な個体数を得て実験するにはどうするのか。

われわれ生態系分野の研究者は、基本的には実験室内ではなく、フィールドに出て調査・実験を行います。外来生物駆除を研究する人々もそうです。

そこで、フィールドで外来種研究者が実際に駆除実験を行い、結果が統計的に真と言え、信頼に足りうる実験データが得られたとしましょう。

それはつまり、実験で非常に多くの個体を使うことができたということです。

それが何を意味しているかわかりますか?
個体数が莫大で、生態系にすでに多大な影響を与えていると共に、もはや根絶は不可能ということなのです!

個体数が増えすぎ、日本中に蔓延してしまったブラックバス・ブルーギルは、もはや根絶は不可能といわれております。セイタカアワダチソウなんかはアレロパシーを持っており、他の植物に影響を与えておりますが、数が多すぎて特定外来生物に指定されておりません。

特定外来生物ではなく、要注意外来生物にせざるをえない生物の理由の一つに、広く分布してしまっており、もはや駆除が困難、というのがあります。

単純に個体数が増えれば駆除が困難になるのは、自明の理です。

ジレンマというのは、信頼に足る駆除結果のデータを得るためには、莫大な個体数を材料として用いなければならないが、信頼に足る駆除結果が出たとき、それはもはや根絶不可能ということをさしているのです。

逆をいえば、根絶可能ならば信頼に足る駆除結果は得られないのです。

外来種は予防が原則です。予防法を講じるために実験を行いますが、その結果は統計上は信頼し得ない。
研究し、納得のいくデータを得るには相当な個体数が必要である。
しかし、その個体数が国内にある場合、もはや根絶が不可能である。


という外来生物駆除研究者のジレンマでした。


解決方法としては統計を用いないことなんです。
そうすれば個体数は気にしなくて済みますからね。

ただ、現在の実験の研究界では、統計による手法が一般的過ぎるんです・・・。
おそらく統計を使わなければ、単なる参考のデータとしてしかとらえられないでしょう。

私は参考になるなら、実際に使ってくれる人が現れるならば参考のデータでも構わないのですが、修士という立場上、論文を書かなければいけないという立場上それも難しいところなのです。

日本には昔から匠のワザ、といわれるように科学的根拠ではなく経験的根拠を認めることがありますよね。
まさか匠のワザについて全てが偶然だ、なんていわないでしょう。

研究の世界でもそこまでとはいいませんが、もう少し経験的根拠を認めてくれてもいいのではないかと希望してしまいます。
経験は科学ではないから難しいのでしょうけれど・・・。

経験を何とか科学的に証明できるようになれば、より科学の幅が広がるかもしれません。

頭の片隅で、経験を科学的に認められる方法、考えてみようかな。
2009.05.11 / Top↑
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