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こんにちは、U1です。

ツイッターで「上海ガニがドイツで大繁殖」というニュースが流れてきたので、調べてみました。

まずは、日本で流れたニュース。

テレ朝news ドイツで上海ガニ大繁殖…思わぬ高値取引に歓迎も(2012/10/14)
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/221014012.html

上海ガニ、つまりチュウゴクモクズガニは日本でも特定外来生物に指定されており、生体の飼養運搬はもちろん生体での輸入も禁止されている生物です。
そのチュウゴクモクズガニがドイツで大繁殖しているようです。あまりにも大繁殖したため、中華料理店に卸し始めたところ、結構売れるようで、輸出するようになった、というニュースでした。ニュースでは、漁業関係者が「外来生物による損失よりもそれを売って得た利益の方が大きい」と言っていると報じています。

これだけではいまいち状況が理解できないので、もう少しインターネットで調べてみました。

レコードチャイナ 上海ガニがドイツの生態系を破壊、損失額は80億円に―中国紙(2012/09/04)
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64367

こちらの記事は1か月前に書かれていますが、もう少し詳しく書かれています。チュウゴクモクズガニがヨーロッパに持ち込まれた時期や、それによる損失額も記載されています。また、こちらの記事でドイツには淡水ガニはいないというのをはじめて知りました。ただ、効果的な対策ということで漁師が中華料理屋に卸すということは書いてあります。
ドイツではカニを食べる習慣はないのでしょうか?

ほかには、このような記事も。

サーチナ 中国の上海蟹がドイツで繁殖、損失は8000万ユーロにも(2012/09/03)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0903&f=national_0903_040.shtml
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0903&f=national_0903_041.shtml

こちらの記事は上の2つの記事よりもさらに詳しく書かれていました。ミュンヘン大学の生物学教授のコメントも載っております。ただ、その内容に「自然界の発展における正常な過程」とあり、そうなのかなぁ?と疑問を呈したい部分もあります。他にはドイツ漁民が今までどのように上海ガニを扱ってきたかも載っておりました。
最終的にはやはり上海ガニを売り出すようになった、というところで締められています。

ドイツだけじゃありませんでした。
レコードチャイナ 上海ガニがテムズに氾濫=生態系を破壊する可能性も―英国(2010/11/18)
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=47138

こちらは2年前の記事ですが、この時点でイギリスのテムズ川で大繁殖しているというのが報じられています。しかも、移入された時期も100年前であると報じています。チュウゴクモクズガニはドイツやイギリスといったヨーロッパに100年前に渡っていたんですね。さらに、こちらの記事でもチュウゴクモクズガニの駆除として「食べてしまうこと(アジアへの輸出)を検討している」旨書かれておりました。イギリスでも食べる習慣はないため、食べる習慣のあるアジアへ輸出しようという計画のようでした。現在はもう輸出を始めたのでしょうかね・・・?

イギリスのサイトで、こんなものも発見しました。
Mitten Crab Recording Project
http://mittencrabs.org.uk/
イギリスにおけるチュウゴクモクズガニの分布状況を調べているサイトのようです。
Mitten Crabはモクズガニのこと。毛がもじゃもじゃ生えた第一鋏脚(はさみ)を、ミトンに見たてているのですね。

他の国にどこまで分布しているのかは知りませんが、下記の記事にはDuring the 1920s and 1930s the crab flourished, spreading throughout Europe. It has invaded waterways from Scandinavia in northern Europe to the Atlantic coasts of France and Portugal in the south.と書いてありますので、1920~30年代に増殖し、ヨーロッパへ広がっていったのでしょう。北欧スカンジナビア半島(ノルウェー・スウェーデン)から、南はフランスやポルトガルの大西洋沿岸に侵入しているようですね。また、同じ記事には北アメリカやイギリスでも数が増えていることを伝えています。
ロンドン自然史博物館 Chinese mitten crabs
http://www.nhm.ac.uk/nature-online/life/other-invertebrates/chinese-mitten-crabs/index.html

さてさて、こんなに大西洋に幅広く分布しているチュウゴクモクズガニ。中華料理屋の上海ガニは世界広く進出しているとは思いますが、まさか生体の方もこれほどまで世界に侵出しているとは思っていませんでした。世界の侵略的外来生物ワースト100に入っているだけのことはあります。
ドイツは環境先進国でもあり、近自然河川工法も確か盛んだったと思いますので、それがさらに住みやすい環境だったのかも知れません。

一番最初にニュースを見たとき、歓迎しているという部分になんだかもやもやしましたが、ここまで大西洋全域に拡大しており、また、漁師にとっては生活がかかっているので、そのようなコメントは仕方がない部分はあると思います。
日本においては、この方法はあまり成功していません。特に対外輸出となると、実例としては戦後の外貨獲得のため、ウシガエル養殖とその輸出をした過去がありますが、結果は現在の状況です。

自分たちが消費しないものを歓迎して輸出しても、相手国が輸入しなくなれば、その方法は使えなくなります。実際、中国は上海ガニの生産国ですし、中国への輸出は中国の規制があるようですね。
おそらく、今は上海ガニの儲けが良くても、どこかで相手の輸入が止まり、あるいは価格が下落して売れなくなれば、また利用はストップすると思います。地産地消のように、できれば継続的に捕獲が続けば良いと思うのですが。

上海ガニの捕獲を続けて、数が減った頃に在来生物の数が回復し、漁師さんたちも上海ガニで儲けて、そのあと引き続き自分たちが消費する魚をとれるようになればいいのですが、世の中そううまくは行かないのでしょう。
チュウゴクモクズガニが大繁殖している国の地元住民や行政はどのように考えているのでしょうか。問題視して取り組もうとしているのか、あるいはあまり気にしていないのか。

今後、世界的に広がっているチュウゴクモクズガニを諸外国はどうしていくのか、動向を見守りたいですね。
2012.10.14 / Top↑
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