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こんちは、ゆーにです!ちょっとぶりの更新。

今日は外来草本、オオカナダモを用いた水質評価の研究について、分析化学に掲載された論文を紹介したいと思います。
原題は「重金属による水生植物の無機栄養元素含量の変化とその水質評価への応用」です。

水質浄化に応用できるように、読んでみました。


まず、オオカナダモについて。

オオカナダモは南アメリカ原産の沈水生の多年草です。
冬も枯れず、低温に強いという特徴があります。
雌雄異株ですが、日本には雄株しかいません。
切れ端から根が出て増えるという、コカナダモと同じ繁殖形態をとります。・・・まぁ雌株が無いので当然ですね。

類似種にはコカナダモ、クロモがおります。
コカナダモは北米原産、クロモは在来種です。

研究は、オオカナダモを水質評価に利用するものでした。
オオカナダモの重金属に対する反応を調べておりました。

水生植物というのは無機栄養元素を吸収し、重金属を濃縮する特性があります。
そのなかでオオカナダモは、CuやCdを100~1000倍に濃縮します。

研究で、オオカナダモの室内実験を行ったところ、
Cuを取り込むと、Na、P、Cl、K、Znの含量が減少し、Ca、Feが増加
することがわかりました。
Cuが細胞壁・膜に障害を起こし、上記の無機塩類が流出してしまうのです。そしてCuにより損傷を受けた生体膜を修復するためCaが取り込まれるのだそうです。Feが増加するのは電子伝達や酸化還元反応の触媒に利用されるカタラーゼやチトクロムなどの鉄たんぱくが必要になるからだそうです。
Cdを取り込むと、Mnが減りFeが増える
ことも判明しました。これは、酵素系にCdが反応するそうで、そうなるとMnの吸収を抑制するそうです。Feが増える理由までは言及しておりませんでした。

これがわかったことにより、オオカナダモを水質評価に用いることができるようになります。
しかし無機元素含量は重金属で変化するだけではなく、酸化物質や界面活性剤でも起こる可能性があります。
また、植物種によって汚染耐性は異なります。

なので、水質は一定期間その水域で育成し、評価するのが妥当だそうです。

実際に神田川、善福寺川、多摩川で実験したそうで、その結果神田川と善福寺川が重金属汚染が少なく、多摩川はCuの汚染の可能性があるとのことでした。

以上でした。

無機元素より重金属に重点を置いた研究でしたが、少なからず驚きを受けました。

というのも、これによると重金属の汚染がある地域では、オオカナダモで富栄養化をとめられないからです。重金属汚染があるとオオカナダモは無機元素を流出させてしまうのですから、余計に富栄養化してしまうのです。

しかし、重金属を濃縮するという利点もあるので、これを利用する手もあります。

最初にオオカナダモを水域で成育し、元素分析を行うことで重金属汚染されているかどうかを判断します。
重金属汚染の水域であったならば、オオカナダモあるいは他の植物を用い、重金属を濃縮させます。
原因があるならばそれを取り除いたほうがよいですが。

重金属汚染がされていなかったならば、他の方法を用いて富栄養化の度合いを見るとよいでしょう。
富栄養化の程度を見る方法は知りませんが、場合によって水質浄化作用を持つ植物を使って水質浄化していくのが望ましいようですね。

参考文献
1994 伊藤 「重金属による水生植物の無機栄養元素含量の変化とその水質評価への応用」 日本分析化学会

そうそう、この前ホテイアオイを購入しました。やはり繁殖力が強いようです。
繁殖は栄養繁殖です。延ばした葉柄の下に根を出し、その葉を分離させて(あるいは物理的にちぎれて)個体が増えるみたいです。1個体から100万個体とも。青い悪魔の名は伊達じゃないです。
2008.05.14 / Top↑
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