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7月ですねー!早い早い。2009年も折り返しです。

今日はニュースの紹介。アメリカでの国内外来種の脅威で、遺伝子攪乱の事例です。
何でも在来サラマンダー(サンショウウオの一種)が他の州から移入されたサラマンダーと混血し、遺伝子攪乱だけでなく在来の両生類にも影響を与えているようです・・・。

それでは記事を見てみましょうか。

混成種サンショウウオが在来種の脅威に
Christine Dell'Amore for National Geographic News
June 30, 2009

 アメリカ、カリフォルニア州サリナスバレーの沼地で、サンショウウオの一種である希少なカリフォルニア・タイガーサラマンダーと外来種のオビタイガーサラマンダーの間に“モンスター”のようなハイブリッド種(混成種)が生まれ、在来種の脅威となっている。

 研究責任者でカリフォルニア大学デービス校・集団生物学センターのモーリーン・ライアン氏によると、新しいハイブリッド種は親の種よりも大きく成長し、大きな口でさまざまな両生類の獲物を飲み込むことができるという。

 獲物のほとんどは沼地に住む小さな種で、パシフィック・コーラスフロッグ(Pacific chorus frogs)やカリフォルニア・イモリなどが含まれるが、どちらの種もこのハイブリッド種の影響で個体数が急激に減少している。

「食欲旺盛で他の種よりも若干攻撃的なようだ。同種で争う様子や他の種を捕獲する姿を観察するのはそれほど難しくない」とライアン氏は言う。

 オビタイガーサラマンダーは1940~50年代にテキサス州からカリフォルニア州に移入した。現在、サリナスバレーでは在来のサンショウウオとのハイブリッド種が生息範囲を拡大しており、在来両生類の生息域の約20%がこの種で占められている。カリフォルニア州にそれまで生息していた在来種はアメリカの絶滅危惧種法(ESA)で絶滅危惧種に指定されている。

 ライアン氏のチームはハイブリッド種が地域の沼地に与える影響を調べるために、サリナスバレー各地でオタマジャクシと卵を採集し、研究室で分析した。その結果、このハイブリッド種のオタマジャクシは他の両生類の成体だけでなく、在来種のサンショウウオの幼生も捕食していることがわかった。

 また、他のサンショウウオの幼生とは異なり、“待ち伏せ”戦略を取ることもわかった。獲物がそばに泳いで来ると攻撃し、「飛びかかると同時に飲み込む」とライアン氏は説明する。もう一つ、在来種にはない変わった適応力がある。ハイブリッド種のオタマジャクシは歯列が異常に発達することがあり、“共食い”までするというのだ。

 このままハイブリッド種の生息範囲がサリナスバレー全体に拡大し続けると、他の両生類の種は危機にさらされる。

 例えば、アメリカで絶滅危惧種に指定されているサンタクルズ・ユビナガサラマンダーは、カリフォルニア州モントレー郡の非常に狭い範囲に生息している。この地域にハイブリッド種が進出してきた場合、「サンタクルズ・ユビナガサラマンダーの個体数は、世界規模で大きく減少する恐れがある」とライアン氏は話す。

 メリーランド大学カレッジパーク校の両生類生物学者カレン・リップス氏は、「論文の内容から、ハイブリッド種がサリナスバレーの沼地に生息する他の両生類に大きな影響を与えていることがわかった」とメールでコメントを寄せた。リップス氏によれば、サンショウウオが最上位の捕食動物になった例は他にもあり、例えば森林地帯の沼地では、サンショウウオが昆虫や他の無脊椎動物の個体数を脅かしているという。

「しかし、ハイブリッド種を排除しようとすれば、倫理的なジレンマに陥る」とライアン氏は言う。「自然保護の観点からすると、この問題へどう対処するかについては大きな疑問点がある」。何しろ、このハイブリッド種は部分的には絶滅危惧種の血をひいている。だが、半分在来種だからといってこの種を保護すべきなのだろうか。

 ライアン氏は在来のサンショウウオが生き残れるかどうかに関して、大きな懸念を抱いている。しかし、カリフォルニアでは“半分テキサス出身”である侵入者にはかなわないようだ。「このハイブリッド種の攻撃的な捕食行動が猛威を振るっている。そのために在来種が被害を受け、個体数の内でハイブリッド種が占める割合はどんどん増加している」と、ライアン氏は心配している。

 研究成果は今週号の「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌に掲載されている。




とのことでした。

簡単に整理しますと、

テキサス州
・オビタイガー・サラマンダー

↓1940~50移入

カリフォルニア州
・カリフォルニア・タイガー・サラマンダー

その後、

カリフォルニア州
・カリフォルニアタイガー×オビタイガー雑種発生

↓捕食

個体数激減
・パシフィック・コーラスフロッグ
・カリフォルニア・イモリ

個体数激減の危険性
・サンタクルズ・ユビナガサラマンダー

また、おそらく
・カリフォルニア・タイガー・サラマンダー純血種の減少
も問題になることでしょう。

記事にあるように、在来種のカリフォルニアタイガーと外来種のオビタイガーが混血し、親よりも大きく成長したり、新たな戦略をとるようになったり、とプラスの性質を獲得することを雑種強勢といいます。

例えば、ガラパゴス諸島のハイブリッドイグアナがあります。
このイグアナは、ウミイグアナ♂とリクイグアナ♀の間に生まれ、ウミイグアナのように海に潜って海藻を食べられるだけでなく、リクイグアナがサボテンを食べるように、爪をつかってサボテンによじ登り、これも食せるようになったのです。
もともとリクイグアナには鋭い爪がありませんでした。リクイグアナは自分でサボテンにのぼって食べることは出来なかったのですが、新たに雑種が誕生し、両親の優れた形質を受け継いで、幅広い食性に適応できることになったのです。

他にも、イネや野菜、樹木の品種改良の一例にもなっております。例えば、マツノザイセンチュウに弱い日本のマツにマツノザイセンチュウに抵抗性のある中国の馬尾松を交雑させ、和華松と名づけられたマツノザイセンチュウに抵抗力のあるマツを生み出しました。
イネは言わずもがな、コシヒカリといろいろな種類を交雑させ、あきたこまちやひとめぼれを生み出していますよね。

雑種強勢は、基本的に人に役立つ生物を生み出すときに行われたり、進化の上で必要があるときに行われてきたのです。

自然状態では、ある同じ祖先を持つ種が海や山などで地理的に隔離されていたりしますと、それぞれ近い遺伝子を持ちつつも、全く別の土地で、その土地に適応するように進化していきます。
だからダーウィンフィンチのように、近い島の中でも島ごとにぜんぜん異なるくちばしを持つようになるのです。
地理的隔離のためにお互い交配できないので種・亜種として認識され、多様性が膨らんでいったのです。

今回のケースでは、外来種ともといた在来種が交雑し、普段なら起こることの無い雑種強勢が発生したといえます。
その雑種強勢のために捕食が上手くなり、個体数を増加させ、個体数的にも遺伝的にも在来サラマンダーを減らしていくことでしょう。
遺伝的攪乱だけが問題ではなく、その地に住む生物を捕食して成長していくわけですから、在来被食者も減少していきます。

ある地域の生物群は、お互いの食う食われる関係の中で、自分たちの個体を激減させず、かといって激増もさせないような絶妙なバランスを作り上げてきたのです。
そこ別の地域のバランスを持った生き物を入れると、簡単にバランスが崩れるのです。

たとえば、1g同士でつりあっている天秤Aと、5g同士でつりあっている天秤Bがあるとします。
この場合、天秤Aは島嶼などの生態系、天秤Bは大陸の生態系で、おもりは捕食者と被食者のバランスだと考えてください。あ、捕食者数ということではないですよ。あくまでもバランスという概念で。

さて、天秤Bから5gのおもりを天秤Aに移したとします。どうなりますか?1gと、1g+5gでバランスは簡単に崩れますね。そう、移した5gが移入種であり、外来種と呼ばれるものなのです。

この1gと5gが交雑できたとします。そうなると、おもりは混ざり合い、6gのおもりとなります。
さて、バランスは1gと6gで崩れたままですが、もといた1gはどこに行くのでしょう?移入された5gはどうなるのでしょう?
1gと5gが合わさったのが交雑で、それによりできた6gは全く別種なのです。たとえ1gと5gの遺伝子が内包されていたとしても、別物。1gはこの世から消えることになります。5gは移入前で残っていますが・・・。
これが遺伝子攪乱と、それにより在来種が消えるということなのです。

記事の中では、絶滅危惧種の血を引いているからハイブリッドを駆除すべきかには問題がある、というようなことを述べていましたが、これは明らかにお門違いだと思います。

自然状態でハイブリッドが出来るならば、それは進化の過程であり、見守ればよいでしょう。
しかし、人為で移入したものはバランス崩しでしかないのです。
まだ1gが残されているならば、6gと5gを排除して、1種を守ることが多様性の保全に繋がるのではないでしょうか。

本来起こりえないハイブリッドは、イノブタやライガー、レオポンと同義だと思います。それを自然の産物と呼んでいいのでしょうか。進化と呼んでいいのでしょうか。
私は、導入種のハイブリッドは自然だとは思いません。利用するならばともかく、生態系を守るという観点からは無くすべきものかと思います。


今回の記事では、外来生物は遺伝的に近ければ雑種強勢も起こし、遺伝的攪乱だけでなく、在来種の激減、在来被食者の激減にも繋がるという例を提示してくれました。

日本でもニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴの交雑とか、ニホンザルとタイワンザルの交雑とかが起こり、遺伝的攪乱が進んでおります。

それだけでなく、日本のクワガタムシと台湾や中国など海外のクワガタムシが地域亜種同士で交雑し、今までに無い形質を持ったクワガタムシが発見される例が増えております。
私たちは、このサラマンダーの事例から、日本で起こっているこの問題を少しでも食い止めなければならないと思います。

今私たち一般の人でもできること。
‐飼えない生き物は飼わない。捨てない。
今NPOなど団体ができること。
‐日本で起きている現状を伝え、その防止に勤めること。
今学者ができること。
‐研究した成果をより多くの人に伝え、理解してもらうこと。
今行政ができること。
‐目標を明確にし、一般の人やNPO、学者が動きやすいような下地をつくること。

そして今我々がすべきこと。
連携。

頑張りましょう、固有の生き物を守っていくために。


すごく長い文章になりましたが、読破してくださり、ありがとうございました。
伝わりにくかったかもしれませんが、文章を読んで何か考えるところがあれば幸いかと思います。

以上、真面目なゆーにでした!・・・あれ、最初書こうとしてた内容と135°くらいずれてる・・・。
まあいっか。

引用元:ナショナルジオグラフィック 2009/06/30 『混成種サンショウウオが在来種の脅威に』
URL:http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=64602681&expand
2009.07.01 / Top↑
考えてみれば最近ブログがまじめ一辺倒のゆーにです。
また昔みたいにyoutubeのっけたりしたほうが楽しいですよね。

でも今日はニュースから。久しぶりの動物ネタなんですー。・・・海外ですけど!
というわけで記事をどうぞ↓

「ラクダを食べよう」と提言=増え過ぎで苦肉の策-豪州
 【シドニー15日時事】オーストラリアで野生のラクダが増え過ぎ、対応に苦慮している。10年ごとに倍増を繰り返し、現在は100万頭以上。一部は中東へ輸出しているが、放置すれば増えるばかりで、環境にも悪影響が及ぶ。政府系研究機関「砂漠研究センター」は国内で食用として消費する案を国に提言している。
 ラクダは19世紀半ばに大陸横断の輸送手段としてアフリカから輸入されたが、交通機関の発達に伴い野に放たれて野生化、現在は同国中央部の砂漠地帯に生息している。繁殖力が強いため増え続け、希少動植物を食べるなど生態系を破壊。牧場にある牛用の水を飲んだり、食べ物を求めて先住民の住居を襲ったりする被害も出ている。(2008/12/15-06:15)


だそうですよ。
ニュースにあるとおり、ラクダはアフリカから輸入されたものなので、オーストラリアにおいては外来種ですよね。
哺乳類に関していえば、オーストラリアは有袋類の国なので、有袋類以外は外来種といっても過言ではないでしょう。ディンゴなんかもそうですし。

このラクダはwikipediaによるとヒトコブラクダだそうです。原産地での野生個体群は絶滅し、家畜個体群になっているか、あるいはオーストラリアのように二次的に野生化した個体群が残っているだけのようです。
繁殖力が強いのに野生個体群が絶滅したのは家畜化個体群の方が繁殖能力があったからでしょうかね。

希少動植物を食べるなどで生態系を破壊し、牛用の水を飲んで畜産に影響を与え、住居を襲うなどする・・・この状態は、日本でいえば特定外来生物の要件に当てはまっちゃってます。

しかし、資源として中東へ輸出することもしているようですから、外来種として積極的に根絶するわけでもないし、なんとか維持していく、というのがオーストラリアの方針でしょうかね。

外来種に関して先駆的なこの国ですが、ディンゴといいこのラクだといい、どこで外来種と在来種とを線引きしているのか、知りたいものです。
日本は文明開化があって、そこから外国船がなだれ込んできたから明治時代を一応の目安に線引きしているんですけど、オーストラリアは多分そんな事情はないですから。あるとすれば白人の移住でしょうか。

あえてニュースに外来生物とか外来種とか記載していないだけでも、外来種扱いというよりは資源扱いなんでしょう。この10年ごとに2倍に増えていくラクダをどのように管理していくのか。
外来種管理に関して先進的なこの国が、外来種であるラクダを資源として維持していく・・・それだけでも注目すべきことだと思います。成り行きを見守りたいですね。


まぁ・・・増えすぎたラクダを食べようと言ってるくらいですから・・・ラクダジャーキーとかつくっちゃえばいいんじゃないですかね~(´▽`)ほら、オーストには名物ジャーキーがあるじゃないですか。

増えすぎた外来種を食べて減らす。ここら辺は日本と同じですね!!

ちなみにどっかの国(アメリカだったかな?)でビーフジャーキーをDNA解析したら、なんと馬の肉だった!という話を遺伝の先生から聞きました。
カンガルージャーキーとかワニジャーキーは大丈夫だよな・・・?


引用元:時事通信 2008/12/15 『「ラクダを食べよう」と提言=増え過ぎで苦肉の策-豪州』
URL:http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%e9%a5%af%a5%c0&k=200812/2008121500027
2008.12.16 / Top↑
ども、ゆーにです。11月の記事数が非常に少なくなりそう・・・。

今日は前回に引き続き、外来生物の防除事例を紹介します。
前回は防除(制御)事例でしたが、今回は根絶事例です。

ではどうぞー。

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時は1929年。

アフリカのダカールから、フランスの駆逐艦がブラジル北東に到着した。
ハマダラカ移動経路

その駆逐艦には、ガンビアハマダラカ(アフリカハマダラカ)が紛れ込んでいた。
200px-AnophelesGambiaemosquito.jpg
Anopheles gambiae/ガンビアハマダラカ(wikipediaより転載)

駆逐艦から逸出したそのハマダラカは、海岸近くと沼地で小さな集団をつくりはじめた。

あるとき、このカが侵入した町で突然、マラリアが発生した。

町民全員がマラリアにかかったようだが、まだこのカの存在は注意されていなかった。

それから2、3年、カは海岸沿いの地方に潜入先を増やしていった。


数年後、このカが侵入した場所から300㎞離れた場所で、マラリアが流行した。

だいたい1939年頃まで、内陸の谷でもマラリア患者が見つかるほどにまで広がったのである。

数十万人が羅病し、約2万人が亡くなったといわれている。


マラリアを媒介するカはブラジルにも前からいたようである。

しかし、その種は建築物に入ってくる習性を持っていなかった。

ガンビアハマダラカは、ブラジルの在来カとは違い、常時家の中に住む性質を持っていたのだ。

ただし、繁殖場所は屋外の日当たりの良い水たまりだったようだ。

この、家の中に住む性質と屋外の水たまりでの繁殖という2つの性質が判明し、駆除は難しいものではなくなった。

ロックフェラー財団がブラジル政府と協力し、一大キャンペーンを張り、3000人以上を動員して繁殖地に手を加え、屋内に薬を散布したのだ。

徹底したこの作戦は200万ドルあまりを費やしたが成功に終わり、3年間で南アメリカ大陸からガンビアハマダラカを完全に根絶したのである。

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チャールズ・S・エルトン 『侵略の生態学』より改変


という内容でした。

この事例の着目すべき点は二つ。

一つは、生物防除ではなく、人の手による直接駆除で根絶したこと。

もう一つは、カの生態を明らかにしてから駆除したこと。


生物防除はよくやられている手段です。

前回紹介したイセリアカイガラムシもしかり、日本で行われたウリミバエの不妊化昆虫もしかり・・・。ウリミバエの例はまた別かもしれないですけれど。

生物防除は天敵生物任せになるので、成功するか否かは未知数なところがありますが、人が直接手を下し、命を奪いに行くわけでもないし、作業自体が大変なものでもないし、自然の力に任せるような気がしますので、結構やりたがる人は多いようです。

実際、クズに悩まされているアメリカで生物防除をするために、原産地の一つである中国でクズに対する在来の食植性昆虫や植物病原菌を調査している事例もあります。

そういう在来のものに頼るなら良いのですが、基本外から入り込んで勢力を拡大する種は大概在来種よりも強い性質を持っておりますので、やはり天敵導入をするより他にないことが多いのです。

しかし、やはり確実性に欠ける。というのも、生物は子孫を繁栄させるのが大前提であるから、捕食しすぎて餌がなくなり、全滅なんてことがないように基本プログラムされてます。

もうちょい正確にいうなら、餌生物がなくなると自動的に捕食者の個体数が減るので、食物連鎖ピラミッドが維持されるようになっているのです。

だから、生物防除は根絶が目的ではない。必ず両種(侵入した外来種と導入した外来種)とも残るのです。

マラリアを媒介する外来カを根絶させるには、カダヤシを使うわけでもなく、クモを導入するわけでもなく、やはり人の手による駆除がよかったわけです。

それに、人の手のほうが早い。隅々まで駆除するには相当の労力がかかりますが、それでも時間と人手とお金さえあれば、もっともシンプルでベストな手段だと思われます。

キャンペーンを張ったのも成功の一因ですね。近年では、レユニオンでLigustrum robustum(ネズミモチの仲間)の一大キャンペーンが行われたそうです。


駆除をより効果的なものにする要因は、種の生態を知っていることです。生活史とか。

敵を知り己を知らば、百戦危うからず。

相手の生態を熟知することは重要なんです。
もし、ガンビアハマダラカの繁殖場所を知らずに屋内だけ延々と殺虫剤を撒いていたら、マラリアは止まらなかったでしょう。

そしてその生態を熟知した後、己が行えるもっともベストな駆除方法で駆除する。

今回の記事はこの流れが成功した例ですよね。


色々なところで駆除作業が行われていますが、どうにも効果が出ている気がしないことが多いです。
駆除による個体数減少は難しいことがわかっていますが、一年でやりきる心構えでやらないと無理だと思います。

そして、根絶させたいならお金を躊躇しないこと。

ぶっちゃければ、お金を掛ければ掛けるほど人員も道具も、大がかりな作業も出来るようになっちゃいますから。


逆に、お金を掛けず、人手も時間も掛けないで、かつ駆除数が多い駆除方法が開発できれば、より高い効果が望めますよね。

自分は、そんな研究です(^^;)

参考文献
チャールズ・S・エルトン(川那部ら訳) 『侵略の生態学』 思索社 1988
2008.11.17 / Top↑
IMGP3401.jpg
秋の七草の一つ。緑のなかの紫がキレイ。


ども、こんにちは。台風がぜんぜん来ないですね。
台風一家は今年は日本に旅行に来ないのでしょうか。

本日のテーマはクズ!マメ科の多年性つる植物です。
つる性草本とも、つる性木本ともいわれます。

IMGP3403.jpg
この3枚の複葉は特徴的ですね。

クズは秋の七草(花を楽しむ秋の草)の一つであり、食品としても葛餅や葛湯、葛切として楽しまれる植物ですね。
カネ○ーカンポーかっこんとう♪のかっこんとは葛根、クズの根に含まれるでんぷんを精製し、湯に溶かして飲むので葛根湯なのです。

根に良質のでんぷんを含み、食品として利用されておりますが、精製の際に非常に手間がかかることから、100%の葛粉は本葛と呼ばれ、まるで金のような扱いを受けたこともあるようです。

現在の葛食料品は多くが馬鈴薯、つまりジャガイモのでんぷんが混ざっていたりするので、100%の葛食品を食べたことがある人は少ないのではないでしょうか。

現在売られている本葛も、サツマイモや小麦のでんぷんが混じっていたりするらしいので、本葛の生産量がいかに少なく、高価なものかは想像できるのではないでしょうか。


さて、昔から食用にされ、親しまれてきた日本在来のクズ。
なぜこのブログで取り上げるのかといいますと!

なんと、アメリカで外来種として猛威を振るっているのですね。

外来種は何も海外から日本に来た種類だけでなく、日本から海外に行って外来種になるものもあるのです。
クズのほかには同様につる植物のスイカズラ、哺乳類ではニホンジカが欧州で、海域ではワカメなどが日本からの外来種として厄介者になっています。

クズは、アメリカでは主に畑などを埋め尽くします。
地下にある太い根からつるを伸ばし、どんどん葉で覆っていってしまうのです。

日本で見られるクズも同様に、樹冠を覆うこともありますよ。
IMGP3400.jpg
ちらほら見える紫のが花で、樹木を覆っております。
地下から伸びたつるが木に巻きついて登り、日の光を得られる樹冠近くまで行って光合成を行うのです。

今のは日本の写真ですが、ネットで探せばアメリカでの現状も見られるかもしれませんね。

畑に広がると、野菜が育たないだけでなく、植えられないし、つるがトラクターなど農業機械に絡まってしまいますね。
つるを切っただけでは地下にある太い根からつるを再生してきてしまいますので、駆除にならないのです。

あまりにも駆除できないので、日本ではケイピンという製品が開発されました。
ケイピンは針の形をしており、そこに除草剤のようなものがくっついております。

クズの株にケイピンを差し込むと、薬効成分が広がって枯らせるというものです。
差し込むだけなので、そんなに面倒ではなく、日本ではよく使われております。

アメリカでどのように駆除しているのかは調べておりませんが、もしかしたらケイピンが使われてるかもしれませんね。

日本ではもったいない精神があること、クズを食する文化があることから掘り取ったクズを利用することがあるかもしれませんが、アメリカでは単なる邪魔者扱いでしょう。

アメリカで掘り取ったクズを超格安で買取り、精製して本葛にしたら新たなビジネスができるかもしれません。あるいは現地で日本食の一つとして売り出すことも可能でしょう。

海外ではもったいない文化がありません。
おそらく駆除した外来生物を食用にしたり、製品として利用している国も数少ないのではないでしょうか。

単に駆除するだけよりも、その命を何らかの形で生かせればいいと思いますね。
外来生物だってただ単に生存・繁殖しようとしていただけですからね。
2008.09.08 / Top↑
なかなかレポートが終わらず、動くに動けないゆーにです。こんにちは。

え、記事書いてないでさっさとレポートやれって?き、気ままに気ままに。
息抜きは必要ですもんね!

今日は海外の外来生物の話です。
海外ではなんと!あの働き者の建築家、ダム造りの名人が外来種になっちゃっているのです。

その生物はビーバー!!

250px-American_Beaver.jpg
wikipedia wikimedia commons より転載

齧歯類のかわいいやつです。
ビーバーってなまで見たことがある人も少ないのではないでしょうか。

そのビーバーは、毛皮が柔らかく、昔は帽子に利用されていました。
その毛皮を利用するために1940年頃、アルゼンチンはフエゴ諸島にビーバーを50頭ほど移入したそうです。

フエゴ諸島↓
フエゴ諸島
このフエゴ諸島は南アメリカ大陸南端部に位置し、東をアルゼンチン、西をチリが領有しております。
ピンの刺さっているところがアルゼンチン領のフエゴ島、フエゴ州であり、国立公園に指定されているそうです。

移入されたビーバーは、天敵がいなかったため、個体数を増やし、2008年には10万頭まで増えてしまっているそうです。
移入されたアメリカビーバーはもともと北アメリカが原産地ですが、そこではオオカミやコヨーテ、グリズリーが天敵としていたようですね。

10分もあれば直径15㎝の木も倒せてしまうほどの働きっぷりにより、フエゴ諸島の固有樹木をばったばったと噛み倒しているそうです。アルゼンチンやチリ政府は、ビーバーの大規模駆除を計画しているようですね。

巣作りの際に木を切り倒し、水をせき止めてできた湖(池?)の真ん中に巣をつくるなんていう高度な技を持っているのですから、天敵がいなかったら生き残る確率は非常に高いのでしょう。それが個体数を爆発的に増やした原因でもあるのですけれど。

同時に、周りの環境を改変しすぎてしまいますよね。木を倒すなんて、道具を使わなかったら人間でもできないことをやってのけるわけですから。

樹木は、皮をはがされると枯死します。皮のすぐ下の部分に師管があり、皮がなくなると師管も一緒に無くなってしまうのです。師管が無くなることで、栄養が根っこに行かなくなりますから、根っこが弱り、水を吸えなくなって枯れてしまうのです。

木の皮をはぐのには日本ではシカやクマがいます。これらも林業被害を与える生き物として問題視されたりしますよね。

アルゼンチンのビーバーは外来種。さらに天敵もおらず、固有の森林をなぎ倒す。爆発的に増えてしまった個体。大変です。

ただし、駆除は意外に難しくないような気がします。まず、湖の真ん中に巣があるわけですから、そこを一網打尽。
巣がなければ生息できない(と思う)ので、また新たに巣がつくられる。そこを一網打尽。
短い期間で行えば、無理ではないと思うのです。発見も難しくなさそうだし。

ビーバーはかわいいです。認めます。自分が駆除しろ、といわれたら躊躇してしまうでしょう。
でも、アルゼンチンの固有生態系と比べたときに、どう考えるか?ってことですよ。

ビーバー駆除良くない!と叫んだところで、じゃあアルゼンチンの固有生態系・・・固有の樹木、草本、それに依存する昆虫、鳥類、哺乳類、それだけでなく菌類や細菌、土壌環境、水圏環境、魚類、甲殻類、軟体動物・・・。それらをないがしろにして良いの?って事なんですよね。

自然を守るとき、何を守るべきか。何を第一目標にして守るのか。
そこを押さえておくのは重要です。

私はまだ外来哺乳類の駆除に立ち会ったことがありません。というかあまり駆除事業に参加したことがない・・・。
だからこそ、実際の現場に立ち会い、考え、経験する必要があると思っております。口だけじゃダメですからね。

経験してこそ、はっきりとものが言えますから。
これからなるべく多くの経験をしていきたいと思っております。

真に外来生物問題を考えられるように。
2008.07.29 / Top↑

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